平成23年第4回12月定例会(第4日目)1. 日時 平成23年12月9日(金曜日)2. 場所
東広島市議会議場3
. 出席議員(32名) 1番 大 谷 忠 幸 2番 平 岡 毅 3番 重 光 秋 治 4番 麻 生 豊 5番 西 本 博 之 6番 加 根 佳 基 7番 宮 川 誠 子 8番 谷 晴 美 9番 杉 原 邦 男 10番 大 江 弘 康 11番 乗 越 耕 司 12番 新 開 邦 彦 13番 竹 川 秀 明 14番 高 橋 典 弘 15番 家 森 建 昭 16番 中 平 好 昭 17番 池 田 隆 興 18番 梶 谷 信 洋 19番 早 志 美 男 20番 山 下 守 21番 鈴 木 利 宏 22番 小 川 宏 子 23番 牧 尾 良 二 24番 石 原 賢 治 25番 赤 木 達 男 26番 渡 邉 國 彦 27番 寺 尾 孝 治 28番 上 田 廣 29番 中 曽 義 孝 30番 坂 本 一 彦 31番 下 村 昭 治 32番 杉 井 弘 文4
. 欠席議員(なし)5. 本会議の書記 事 務 局 長 吉 村 康 明 局 次 長 山 本 辰 也 議 事 調査係長 貞 岩 諭 主 任 旭 淳 一 主 任 門 出 剛6. 説明のため出席した者 市 長 藏 田 義 雄 副 市 長 大 北 和 幸 副 市 長 城 信 誠 教 育 長 木 村 清 理 事 蓮 池 信 生 参 与 奥 村 和 徳 総 務 部 長 中 野 哲 雄 企 画 振興部長 宝 寿 正 義 財 務 部 長 重 河 格 生 活 環境部長 松 尾 祐 介 福 祉 部 長 清水迫 義 基 産 業 部 長 石 丸 敏 和 建 設 部 長 木 村 理一郎 都 市 部 長 下 田 輝 治 下 水 道 部 長 松 岡 義 雄 会 計 管 理 者 窪 田 恒 治 消 防 局 長 横 山 信 明 水 道 局 長 加 藤 祥 一 学 校
教育部長 米 田 国 明 生 涯 学習部長 田 阪 資 啓
総務部次長兼総務課長
企画振興部次長兼企画課長 前 延 国 治 前 藤 英 文
財務部次長兼財政課長
下水道部次長兼
下水道管理課長 大 森 明 泉 裕 晃7
. 会議事件日程第1
会議録署名議員の指名日程第2
一般質問────────────────── * ────────────────── 午前10時00分 開 議
○議長(
坂本一彦君) 皆さんおはようございます。 ただいまの出席議員は31名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、あらかじめお手元に配付したとおりであります。────────────────── * ──────────────────
○議長(
坂本一彦君) それでは、これより日程に入ります。 日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、議長において32番
杉井弘文議員、1番
大谷忠幸議員、2番平岡 毅議員を指名いたします。────────────────── * ──────────────────
○議長(
坂本一彦君) 日程第2、
一般質問を行います。 ここで念のために申し上げておきます。
一般質問は、一問一答方式、
一括質問方式の選択制になっており、発言時間は35分以内となっております。 なお、一問一答方式により質問される議員におかれましては、当初の発言は登壇して一括で質問され、2回目以降の質問からは自席で行ってください。 それでは、
一般質問の通告がありますので、3番
重光秋治議員の一問一答方式による
一般質問を許します。
◆3番(
重光秋治君) 議長、3番。
○議長(
坂本一彦君) 3番
重光秋治議員。
◆3番(
重光秋治君) (登 壇) 皆さんおはようございます。
東広島いろは会の
重光秋治でございます。 今回、私は
義務教育期間内における
少年非行及び不登校についての問題を取り上げてみました。 最初に、
少年非行の現状を説明いたします。 パネル1番をお願いいたします。 犯罪を犯した者のうち、14歳未満は
触法少年、そして14歳以上20歳未満を
犯罪少年、また犯罪を犯してはいないが、将来触法行為をするおそれがある者は
虞犯少年として区分けされ、これらの3つを合わせて
非行少年と呼びます。 下の円グラフは、
東広島警察署の協力を得まして提供いただいた資料でございまして、
東広島警察署管内における
少年補導状況をあらわしたものでございます。 この10月末現在で、
非行少年の総数は168人、昨年に比べ10.5%増えております。うち、小学生と中学生が41.1%を占めており、非行が低年齢化し、
義務教育期間における問題が浮き彫りにされていることがわかります。参考までに、
東広島警察署管内で
犯罪予備軍に当たります
虞犯少年の補導はゼロでございまして、すべて
犯罪少年、
触法少年の数値でございます。 続いて、全国的な傾向と比較してまいります。 2番目のパネルをお願いいたします。 上段の棒グラフは、
広島保護観察所における中学生の件数の推移でございまして、21年、22年と明らかに増加しております。中段の棒グラフは、全国における
中学生件数の推移でございまして、22年は減少しております。また、下段の棒グラフは、全国における全
少年検挙人員の推移をあらわしておりまして、平成15年をピークに年々減少していることがわかります。 これらのデータによりますと、全国的には少子化の影響で児童の減少に伴い非行の数も減少しておりますが、広島地区におきましては非行の数は逆に増加しているという現実となっております。このことは、広島一帯の問題なのか、本市での特徴なのか、問題の所在を明らかにしていくことが解決への近道ではないかと思います。 私自身、保護司として活動させていただいておりまして、さまざまなケースにかかわってまいりましたが、とかく非行に関する問題は隠して内密に対応されてきているように思われます。これで本当によいのでしょうか。非行の問題は、身近にどこでも起こる可能性があることなので、出すべき部分は出して真っ向から非行と立ち向かい、予防や対応の啓発をしていくことが必要なのではないかと感じているところでございます。 それでは、議長の許可をいただいておりますので、こういった背景のもとに質問に入らせていただきます。 まずはじめに、
非行防止対策について、
非行防止の
教育指導はどのように行われているのか、お伺いいたします。 先般、地域の小学校で
学校教育の
研究フォーラムがございまして、私自身も参加させていただきました。中で、非行に関するテーマがございましたが、期待しておりましたが、時間の配分上、掘り下げた議論にはなりませんでした。また、さきの
文教厚生委員会におきまして、いじめ、不
登校対策に関して当市が積極的に取り組んでいる姿勢を示していただいており、改めて
非行防止の視点から
教育指導の内容をお伺いするものでございます。 次に、
原因把握と
具体的対策はどのように行われているか、お伺いいたします。 非行にもさまざまなケースがあると思います。単に学校に対する不満だけではなく、暴走族からの勧誘や
交友関係、家庭の問題に起因するものなど想定される原因の範囲は学校の域を超えているものもあるかもしれません。具体的に、それぞれのケースに応じた対応が必要とされるでしょうし、市民と一体となった幅広い
取り組みが必要になってくるものと思います。 既にさまざまな
取り組みをされていることとは思いますが、
義務教育課程における非行の現状とその要因をどのようにとらえ、どのように対策をとっておられるのか。また、その成果をどのように認識しておられるのか、お伺いするものでございます。 また、他の機関との
連携状況についてお伺いいたします。 先ほども申し上げましたように、学校だけで
子供たちの日常生活を見守ることには限界があると思います。我々保護司もそうですが、警察などの
関係機関との連携協力なしには有効な対策は打てないと思います。現状における警察署などとの連携をどのようにされているのか、またそれをどのように認識しておられるのか。重ねて、今後どのように継続されるのか、さらなる連携等についてのお考えがあるのか、お伺いしたいと思います。 次に、不
登校対策についての質問でございます。 市内の不登校の現状についてお伺いいたします。 不登校につきましては、さきの
文教厚生委員会においても資料をいただきまして、本年度は特に力を入れて取り組んでおられることが理解できました。こうした
取り組みをされている背景には不登校が増えている実態があり、それに歯止めをかけようと苦労されているものだと思います。
取り組みの背景となる不登校の現状にもさまざまなケース、原因や実態、
周辺環境等々ございますが、全体的にどのような傾向、実態なのか、市としての分析もされているのではないかと思いますので、この辺についての御所見をいただきたいと思います。 また、その対応策についてお伺いいたします。 先ほども申し上げましたが、こうした不登校の背景には原因となる環境や要因があり、そのことに対応する対策としてこれらの
取り組みをされているのだと思いますが、どういうケースの場合にどう対処し、より重い段階ではさらなる対応というように、その個別のケースの度合いに応じた対応をとられているものと思いますが、その原因別に対応の
取り組み、成果の現状についてお聞かせいただきたいと思います。 最後に、
更生保護についての質問をさせていただきます。 パネルにより
非行少年の法的処理を説明いたします。 パネルをお願いします。 向かって左側、年齢の低い
虞犯少年と
触法少年につきましては、検挙後、
児童相談所を経由して、あるいは直接
家庭裁判所に送致され、審判によりまして
少年院送致が下された子供は少年院へ、
保護観察が下された子供は
保護観察所に送致されます。一方、向かって右側、
犯罪少年につきましては、検挙後は検察庁を経由して
家庭裁判所に送致されます。うち、重罪を犯した者については地方裁判所に送られ、
少年刑務所に入ることとなります。少年院あるいは
少年刑務所に送られた
子供たちのほとんどが、刑期を終える前に仮退院もしくは仮釈放となり、
保護観察所に付され、保護司などの力をかりながら更生の道を歩むこととなります。 犯罪の広がりを分析したものに割れ窓理論というものがございます。割れ窓理論とは、建物やビルの割られた
窓ガラスを放置しておきますと、たちどころにすべての
窓ガラスが割られてしまうという理論でございます。逆に言えば、最初に割られた1枚の
窓ガラスをしっかりと補修してビル、建物を管理していけば、他の
窓ガラスは守られるというわけでございます。こういった観点から、一
たん非行に走ってしまった
子供たちをいかに更生させるかは、大きな意義を持っております。せっかく戻ってきても、学校で適切なサポートがされないとまたもとに戻ってしまう可能性が高いわけですから、その点は
非行防止と同じように再発防止の
取り組みを
関係機関と連携して幅広く対応していくことが必要と考えられます。
保護司会といたしましても、市から補助をいただいて活動しておりますが、もっと積極的に活動しなければならないとも認識しているようでございます。 学校現場では、とかく
保護観察を受けている子供がいること自体を伏せることが多いようですが、伏せていたのでは学校以外の組織や機関の協力を得ることは難しくなります。
広島保護観察所でも、必要な部分は表に出して周囲の理解と協力を仰ぎながら
更生保護活動を進めるよう見解を出しているようでございます。情報を共有することだけでも対応は変わるでしょうし、多くの人がかかわることでよい知恵も出てくるものではないかと思います。 こういうことを踏まえて、学校だけでこういった子供を守るにも限界があるのではないでしょうか。現状で
保護観察を受けている
子供たちに対する
取り組み、サポートについて市としてどのような方針で対応されているのか。また、
生徒指導、
スーパーバイザーの学校派遣などいろいろと取り組んでおられるようでございますが、その活動と成果なども含めて、また学校以外の組織や機関との連携についてどのように考えられておられるのか、お伺いしたいと思います。 以上で初回の質問を終わらせていただきます。
○議長(
坂本一彦君) 答弁を求めます。
◎教育長(木村清君) 議長、教育長。
○議長(
坂本一彦君)
木村教育長。
◎教育長(木村清君) (登 壇)
義務教育期間の
少年非行についての御質問にお答えいたします。 はじめに、
少年非行につきましては低年齢化、同じ児童・生徒の繰り返しなど全国的な課題となっております。本市におきましても同様の傾向があり、
東広島警察署管内の
少年補導状況は、全体として増加傾向となっております。とりわけ14歳未満の
触法少年の増加が著しく、有効な対策が求められているところでございます。 1点目の
非行防止にかかわる
教育指導についてでございます。 本市の
非行防止対策としましては、まず対策の根幹となります日常的な
学校教育活動の
取り組みとしまして、共感的な
人間関係の育成を図り、児童・生徒の自尊感情をはぐくんでいく中で社会的なルールやマナーなどの規範意識の醸成を図っているところでございます。 また、市内すべての
小・中学校で警察や
警察OBの
スクールガードリーダーによる
非行防止教室の実施や東広島市
推進委員会によります7月の社会を明るくする運動、青少年の非行、被害防止に取り組む運動にかかわって
万引き防止や
薬物乱用防止にかかわるポスターなどの作品募集を市内すべての
小・中学校に呼びかけ、児童・生徒の防犯意識の高揚に取り組んでいるところでございます。 次に、2点目の
原因把握と
具体的対策についてでございますが、
義務教育課程における非行の現状を児童・生徒の
問題行動から検証してみますと、
初発型犯罪と言われます窃盗、万引きや自転車盗などの
占有離脱物横領と喫煙行為が多い状況がございます。中でも、中学生におきましては
占有離脱物横領の事案が本年度は増加しており、14歳未満の
触法少年の補導件数が今年に入って増加している大きな要因となっております。 非行に陥る要因として考えられますことは、
小学校時代の学習のつまずきや家庭的な支援が十分に得られない状態等が上げられます。すなわち
小学校時代の学習のつまずきによって中学校での学習が次第にわからなくなり、学校不適応になってしまうケースが多くございます。また、こうした状況を支えるために不可欠な家庭的な支援が十分に得られないまま基本的な
生活習慣が身につかず、
セルフコントロールができない状況になっているものと分析しております。 非行などの
問題行動を繰り返す児童・生徒への対策としましては、校内の
生徒指導体制の充実を図るとともに児童・生徒の心情に迫る
教育的指導が有効であることから、
スクールカウンセラーや
メンタルアドバイザーによる
教育相談、さらには
警察OBの
スクールガードリーダーによる指導を行っているところでございます。また、
青少年育成団体をはじめとします
関係機関や地域と学校が連携し
チーム支援会議を組織し、
あいさつ運動や緑化活動を
地域ぐるみで展開する
取り組みを実施しております。中でも問題を抱える児童・生徒の
自立支援事業として組織的な
取り組みによる
チーム支援会議は、学校における
問題行動などを減少させたという成果がこれまでにも確認されております。 3点目の警察など他機関との
連携状況についてでございますが、非行の未然防止をはじめ児童・生徒の
健全育成を図っていくためには、
関係機関との連携は欠かせません。とりわけ警察との連携につきましては、
東広島警察署との日常的な連携をはじめ県警本部で開催されます広島県
暴走族対策会議や広島県
西部教育事務所管内の
学校警察連絡協議会など定期的な連携を行っております。特に、毎月第3土曜日の夜間に実施いたします東広島市
暴走族対策実行委員会によります
巡視活動や見守り活動は、本市において
暴走族グループの活動が活発化した平成4年に
東広島警察署をはじめ市内の
小・中学校や高等学校及び
PTA関係者、
保護司会や各方面で青少年の
健全育成に御協力をいただいてる団体など14団体の協力を得て組織し、
取り組みをはじめた経緯がございます。これまで19年に及ぶ継続的な
取り組みによりまして、
暴走族グループの解散や
非行少年たちの
自立更生に向けて大きな成果を上げてまいりました。今後とも、本市の
暴走族対策実行委員会の
取り組みを中心としまして警察などの
関係機関との連携を密に行い、児童・生徒が非行に陥らないように見守り、声かけ活動を継続的に実施していきますとともに、現在課題となっております
非行少年の
立ち直り支援活動についても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、不登校の対策についてお答えいたします。 1点目の市内の不登校の現状についてでございますが、平成22年度の市内の
小・中学校の不登校数、すなわち病気や
経済的理由を除く理由により年間30日以上の欠席のあった児童・生徒数は、小学校が28人、中学校が148人でございます。平成21年度と比較しまして、小学校が1人、中学校は3人の増加となっております。 また、平成23年度は9月末現在で30日以上欠席のあった児童・生徒数は、小学校が7人、中学校が62人であり、昨年度の同時期と比較しまして小学校で4人、中学校で23人の減少となっております。 児童・生徒が不登校になった原因でございますが、無気力型、退学などの本人にかかわる問題、いじめを除く友人関係をめぐる問題、学業の不振、学校の決まりなどをめぐる問題、親子関係をめぐる問題などが主なものとなっております。ただ、不登校になった直接的な要因は一面的ではないことから、これを明確に特定することは大変難しく、全体的な傾向としまして不登校になる原因のほとんどはさまざまな課題が複合的に絡み合ってるというのが実情でございます。 次に、2点目の不登校の対策、対応策についてでございます。 不登校児童・生徒の数や状況は、各学校が実態や原因別に取りまとめ、毎月その集計結果を
教育委員会に報告してまいります。
教育委員会としましては、この集計結果の情報をもとにして学校に対して直接指導・助言を行っているところでございます。 また、不登校のケースによります対応策についてでございますが、不登校のケースは5つに大別されます。1つ目は、
学校生活が起因するケース、2つ目は
遊び非行型、3つ目は無気力型、4つ目は不安等の
情緒混乱型、そして5つ目は複合型でございます。 5つのケースに共通する
取り組みとしましては、
家庭訪問を繰り返すことで保護者の信頼を得て、家庭と学校が同一歩調で取り組んでいくことが何よりも効果的でございます。
学校生活が起因するケースでは、学校内での
人間関係をめぐるトラブルを収束させ、安心して登校できる環境を整えていくことが求められます。
遊び非行型につきましては、生活のリズムを乱し、昼夜が逆転し、朝起きることができない状態になってることが多いため、基本的な
生活習慣を取り戻していく必要がございます。そのため、心の
教育総合アドバイザーや
ホームサポーターが学校と連携して家庭に出向く
取り組みを行ったり、県の
子ども家庭センターをはじめとした福祉機関と連携した
取り組みを進めているところでございます。今後は、家庭へのアプローチを積極的に行っていくために、スクールソーシャルワーカーの配置も検討しております。 無気力型や不安等の
情緒混乱型、複合型につきましては、ひきこもりに結びついていくことも考えられますことから、まずは家から出て屋外で活動する習慣を持たせ、精神的な自立を図っていくことが必要とされてます。そのために、本市に3か所設置をしております
適応指導教室、
フレンドスペースや
グリーンスポーツセンターの施設を活用してカウンセリングや体験活動を交えた
教育活動による
取り組みを実施しているところでございます。 また、不登校の初期の段階につきましては、学校が
家庭訪問を繰り返す中で状況に応じて登校刺激を与えるとともに、保健室や相談室での登校が可能な体制を整えて取り組んでいるところでございます。 一方、長期にわたる不登校につきましては
関係機関との連携による
取り組みが必要となることから、学校と家庭との連携によりまして
フレンドスペースへの入級を該当の児童・生徒に勧め、
カウンセラーによる
教育相談など本人の状況に応じて段階的に
学校復帰に向けて
教育活動を実施しているところでございます。 効果的であった
取り組みについてでございますが、
フレンドスペースや
グリーンスポーツセンターなどの機能を有機的に結びつけ、夏休みに実施しました夢・ふれあいロングキャンプで
自然体験活動や集団活動を行うことにより、不登校であった生徒が自信を取り戻し、
学校復帰を果たしたケースもございます。
適応指導教室などの不
登校対策を行う施設や
取り組み、機能をネットワーク化することにより、着実に成果が上がるものと考えております。 次に、
更生保護の
取り組み及びサポートについての方針についてお答えいたします。 現在、
保護観察を受けている生徒にかかわる
取り組みとしましては、学校では
学校生活を円滑に過ごせるように家庭との連携を図った上で特別な
生徒指導体制を整えるとともに、
教育委員会では状況に応じて
生徒指導スーパーバイザーや心の
教育総合アドバイザーを派遣するとともに、当該児童・生徒の心情にアプローチしていくために
スクールカウンセラーや
メンタルアドバイザーによります
教育相談などの
取り組みを進めているところでございます。 また、非行の再犯の防止のために
保護司会の皆様にも
暴走族対策実行委員会による
巡視活動や声かけ活動の御協力をお願いして、
保護観察中の青少年が
夜間徘回等をしていないかどうか確認していただいております。 夢や希望などの目標や
自己肯定感を失いかけている
子供たちに対していま一度夢や希望を持たせていく必要があります。確かな学校の
取り組みによって
クラブ活動で力を発揮し、更生に向かったという喜ばしい報告も聞いております。しかしながら、児童・生徒の
自立更生のためには学校だけの
取り組みでは当然限界も生じてまいりますので、今後
関係機関と連携をさらに充実させていく必要があると考えております。
更生保護を受けている
子供たちの
自立更生を行っていく際にはそれぞれの立場で守秘義務が生じてくることから、このような点につきましても十分配慮し、今後も
関係機関との有効な連携方策を検討してまいりたいと考えております。
◆3番(
重光秋治君) 議長、3番。
○議長(
坂本一彦君) 3番
重光秋治議員。
◆3番(
重光秋治君) 各項目ごとに丁寧な説明、細やかな
データ解析、またふだん知り得ない
教育委員会の活動、
取り組みを御説明いただきありがとうございます。執行部も、当市における
少年非行問題を真摯にとらえ、しっかりとした
教育方針に基づき対応されていることを十分に知ることができました。 御説明、御対応等につきまして、何点か確認させていただきたいと思います。 2番目に質問いたしました非行の
原因把握と
具体的対策について、御答弁の中に
小学校時代の学習のつまずきを原因として分析されておられましたが、この小学校での初期段階の
具体的対応はどのようにお考えなのか。 それから、非行の芽を摘むためには家庭と学校とのスムーズな意思疎通、また親同士のコミュニティも大事な要因と思われますが、その辺をいかに考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
◎生涯学習部長(田阪資啓君) 議長、生涯学習部長。
○議長(
坂本一彦君) 生涯学習部長。
◎生涯学習部長(田阪資啓君) まず、小学校段階での学習のつまずきの
取り組みということなんですけども、各学校においてすべての児童・生徒がわかる授業を目指していることは当然のことでございます。つまずきのある児童につきましては、放課後個別指導を行うなどの指導を行っております。今後、
教育委員会といたしましては地域の教職経験者の協力を得て学びの支援教室を開設するなど児童・生徒の確かな学力の定着が図られるよう検討してまいりたいと考えております。 また、家庭と学校の意思疎通、あるいは保護者同士のコミュニケーションを図るための連携は、これは
教育委員会といたしまして極めて重要な
取り組みであるというふうに考えております。各学校におきましてもPTA活動あるいは地域行事での
取り組みなどを通じまして学校と家庭、さらには保護者同士の連携を図っているところでございます。 以上でございます。
◆3番(
重光秋治君) 議長、3番。
○議長(
坂本一彦君) 3番
重光秋治議員。
◆3番(
重光秋治君) ありがとうございました。早期発見、早期対応という観点から大事なところでございますので、しっかりとした対応をお願いいたしたいと思います。 続きまして、他機関との
連携状況についての質問で、警察、ボランティア団体、PTAなどとの綿密な連携をされていることが大変よくわかりました。また、坂本議長が会長をしていらっしゃいます
暴走族対策実行委員会の
巡視活動が19年も継続されているということで大変印象に残っており、敬服しているところでございます。 この
取り組みの中にございました
非行少年の
立ち直り支援活動という項目がございましたが、これについて具体的な中身を何点か御説明いただければと思います。
◎生涯学習部長(田阪資啓君) 議長、生涯学習部長。
○議長(
坂本一彦君) 田阪生涯学習部長。
◎生涯学習部長(田阪資啓君)
非行少年の立ち直りの支援活動の具体的な
取り組みといたしましては、
非行少年自身の存在が認められる居場所づくりというのが重要になってこようかと思います。また、広い
人間関係づくり、そのために本市の児童青少年センターを拠点といたしまして、青少年が興味を持つ、例えばフットサルであるとかサッカー、野球などのスポーツ、また音楽やダンスなどの文化活動の実施について現在検討しているところでございます。
◆3番(
重光秋治君) 議長、3番。
○議長(
坂本一彦君) 3番
重光秋治議員。
◆3番(
重光秋治君) よくわかりました。ありがとうございました。やはりその効果をまた期待するところでございます。 続きまして、最後の質問にさせていただこうと思いますが、不
登校対策についての対応策についてで、不登校の原因を的確に分析され、対応されていることに驚いております。また、実際に成果も出ているということで大変心強く感じております。 中で、
遊び非行型の対応というものは家庭の中に入っていくことが不可欠となり、プライバシーの問題など避けがたい壁が出てくるのではないかと思いますが、この辺の配慮はどのようにされているのか、お伺いいたします。
◎教育長(木村清君) 議長、教育長。
○議長(
坂本一彦君)
木村教育長。
◎教育長(木村清君) 不登校の児童・生徒と直接に向き合っている保護者の皆さんの不安というのは大変なものでございまして、やはりそれを解決するためには学校と家庭との連携を十分に行うということが前提となってまいります。したがいまして、プライバシーの問題はございますが、それも含めて家庭と学校が十分連携をとりつつ、プライバシーには十分配慮しながら取り組んでいくということで
取り組みを行っておるという状況でございます。
◆3番(
重光秋治君) 議長、3番。
○議長(
坂本一彦君) 3番
重光秋治議員。
◆3番(
重光秋治君) ありがとうございました。なかなか家庭の中に入っていくということで難しいところもございましょうが、よろしく御対応のほうをお願いいたしたいと思います。 最後に質問いたしました
更生保護についての
取り組みについてでございますが、
生徒指導スーパーバイザー、
教育総合アドバイザー、
スクールカウンセラー、
メンタルアドバイザーなど多数の専門家を配置されているというところで、これまでにない積極的な
取り組みに私たちも大変期待しているところでございます。必ず近い将来、成果となってあらわれてくるものと期待をしております。 そして、これはお願いでございますが、今法務省が手がけております
更生保護活動サポートセンターの設置が中国地方で進んでおりまして、当東広島市でも候補地を探しているという情報が入っております。どの部署に打診が入るかわかりませんが、その折にはよろしくお願いいたしたいと思います。 そして、議員の皆様、これを機会に認識を新たにしていただきまして、
非行防止活動に御理解と御協力をお願いしたいと思います。どんなに小さな活動でも構いませんので、参加していただき、非行の小さな芽を摘んでいくことに力をかしていただきたいと思います。こういった御提案をさせていただきまして、私の
一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(
坂本一彦君) これをもって3番
重光秋治議員の
一般質問を終わります。 暫時休憩いたします。 午前10時36分 休 憩────────────────── * ────────────────── 午前10時51分 再 開
○議長(
坂本一彦君) 再開いたします。 引き続き、
一般質問を行います。 9番杉原邦男議員の一問一答方式による
一般質問を許します。
◆9番(杉原邦男君) 議長、9番。
○議長(
坂本一彦君) 9番杉原邦男議員。
◆9番(杉原邦男君) (登 壇) 皆さんこんにちは。威信会の杉原でございます。 議長から発言の許可をいただいておりますので、通告に従いまして質問をさせていただきますが、その前に少し時間をいただきまして、去る12月4日土曜日でございましたが、13時より2時間にわたって広島東洋カープの浅井コーチ、それから嶋、横山、小窪の3選手が、合計4名になるわけでございますが、野球教室をスポーツ少年団170名を集めて道の駅湖畔の里福富のグラウンドで開催されました。あこがれのプロ野球の選手から直接指導を受ける
子供たち、緊張しながらも必死で何かをつかみ取ろうというように一生懸命やっておりましたけども、こういう姿を見ておりまして、将来にわたって少しでも夢を持ってくれたらと思ったところでございます。 それでは、質問に入らせていただきます。 2点ほど質問をさせていただきます。 まず1点目、平和行政について伺います。 この平和の日の制定についてということで質問させていただきますけども、実は昨日12月8日、太平洋戦争の開戦の日でございました。それを受けまして、戦後66年経ておりますけども、この戦争を風化させないためにも平和の日の制定をということで質問をさせていただきます。 まず、従前は遺族会が中心で式典を開催してまいりましたけども、会員の高齢化からその運営がなかなか難しくなった状況の中で、昨年度から市で戦没者追悼式並びに平和祈念式典を主催していただいております。このことは、会員一同大いに喜んでおりますし、高齢化の進む遺族会会員の平和に対する思いを市においても受けとめていただいたものと感謝をしております。この場をかりまして厚く御礼を申し上げます。 今年は、東北大震災もあり、あの日以来至るところで被災された方々のお姿、映像や肉声を聞かせていただいておりますけども、我々戦前、戦中の世代の体験と重なるものがありまして、被災者である自分よりも周りの人を気遣う心や自分の犠牲をいとわず職務に精励された消防団員の方の姿に接するにつけ、我々の思いもきちんと伝えていかなければならないと強く思ったところでございます。また、そういう思いも新たにしたところでございます。 今、我々はこうして平和な世代で生かさせていただいておりますが、こうした反映の基礎には先人たちの後に続く者たちのためにと、そういう思いによる尊い犠牲があったからであります。私たち生き残った者は、戦争の犠牲者に対する気持ちを忘れてはなりませんし、その犠牲となった人々の思いや記憶を決して風化させてはいけないと思ったところであります。 広島は、世界ではじめての原爆の投下を受けた都市であり、そういう被災者と戦争による戦没者も違いはないものと思っております。我々が犠牲となった先人の心に思いをはせるとき、必ずやこれからの平和に対する新たな決意、意思が芽生えてくるものだと思っております。 でありますから、こういう思いをより多くの方々に共有していただくことこそが大事であり、追悼の行事を一緒にするなど広く言い伝えていくことを主眼としていくためにも、平和の日を制定することは意義があり、こういう活動の新たな発展のきっかけになるものと思いますし、この時代を生き抜いてきた我々の使命でもあると思っております。執行部の方のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 2番目の鳥獣対策についてお伺いをいたします。 以前からこの問題につきましてはいろいろと地域の実情を申し上げるなり、提案をさせていただいております。確かに対応はしていただいているものでありますが、どうも効果が上がってないように思えてなりません。イノシシやシカの出没する範囲も年々広がりを見せておりますし、里山、人の住む集落にまで堂々と出てきて、しかも食べるものも人間が食べるものまで食い散らかしている現状は、徐々に手がつけられなくなってきていると感じております。シカも北部の豊栄、福富だけでなく、今では高屋町造賀のあたりまではその行動範囲を広げてきております。 これまで防護さく、電気さくといった農作物を守る手だてが主流で対応しておられましたが、相手にも学習能力等々がございまして、親が牙で囲いのトタンを押し上げて、その下を
子供たちが入るように、棚の周辺では高いところを見つけてはそっから飛び越えて侵入したり、なかなかに賢く行動いたしております。 さらには、仕掛けにかかった子供を見てみますと、明らかに出産回数が2回になっていることがわかる春子、秋子とがおります。こうなると、増えるペースが一気に上がることになり、とても従来のやり方だけでは間に合わんことになるのではないかと思っております。 そこで、この急激なイノシシとシカの増加に対する抜本的な対策、とりわけ大量駆除について執行部のお考えをお伺いしたいと思います。 大量駆除について、後にいたしまして、大型囲いわなの実施と成果について伺います。 まず、大量駆除しかないという点は理解していただいておるようでございますが、既に大型の囲いわなを昨年度3基、県の補助を受けまして1基、市の補助で2基設置されているようでございますが、その成果は上がっているのでしょうか。これまでの成果をお聞かせ願いたいと思います。 また、囲いわなは面積がかなり必要でございますから、福富の竹仁地区に1か所、豊栄に1か所、志和地区で1か所と聞いておりますけども、どういうお
取り組みの中で使用されているのか、お伺いをいたします。 イといたしまして、絶対数の削減対策はということで質問をいたしますが、これまでは防護さく、電気さく、トタンなどいろいろ工夫して防いでおりましたが、けものにとりましても学習能力がございまして、昔のようにトタンや電気さくだけでは防御ができなくなってきた今、防護にどれだけの費用をかけたとしてもまるで無駄ということではございませんけども、個体の絶対数が増えることの歯止めにはならないと思っております。そのために、やはり絶対数を減らすことを抜本的に考えることが必要だと思います。 猟友会と話をしてみても、猟友会同士で話をするのも縄張りの意識があったり、なかなかできないというような話も聞いております。そのため、行政主導で進めてもらって招集をかけていただければ猟友会としても行かざるを得ないといいますか、協力はされやすいというようなお話も聞いております。そこらあたりの
取り組みについて、抜本的な対策が必要であると考えますが、執行部の考えをお伺いいたします。 ウといたしまして、圏域間の協議ということで前も提案させていただきましたけども、山は市町村を越えてつながっておりまして、東広島圏域だけでなく、安芸高田市など近隣市とのタッグを組んでの
取り組みを進めていかないと、お互いにこういった捕獲作戦を行いましても圏域外に逃げてしまうということになりかねません。こういうことも前にも質問をさせていただきましたが、呼びかけたがだめだったということで終わっているのではないかというふうに推測しております。呼びかけた以上、どのような成果があったのか、また成果がなかったのならば課題が把握され、今後はどうするかという方向性を持たれているのか、それまでの進展の状況をお聞かせ願いたいと思います。 東広島圏域猟友会のすべてのメンバーを集めて御協議を行うとか、何とかして重点的に協力をしてもらって、もっと大がかりな駆除に取り組まなければ効果が上がらないものと思っております。メンバーも高齢化が随分と進んでおりまして、人数が減ってきている現状でございます。十分に駆除することができないことにかかわらず、ただ猟友会任せというような形では何の解決にもならないというふうに思っております。市としても、他市と連携してイノシシとシカ対策を行うということを呼びかけるべきだと考えますが、執行部の考えを伺いたいと思います。 最後に、猟友会との協議について伺いますが、例えばの話でございますが、イノシシを追いかけるときには以前猟師さんは必ず犬を連れておりました。今は余りそういった猟犬と申しますけども、連れている人は少なくなっております。イノシシが主でございましたけども、これを追いかけていく優秀な犬につきましては、どこまでも追いかけていくということもありますけども、なかなか方向音痴の犬がおりまして、帰ってきてくれないということも多々あるようでございます。犬につけるGPSの補助をしてくれればという声も聞いておりますし、何十万円も何百万円もするような優秀な猟犬に至りましては、一助になるなど期待がされているところでございます。頻繁に被害が出てくるほどの個体数が増加している現状では、行政が音頭をとって各猟友会の調整だけでなく、さらにイニシアチブを持って東広島地域全体の猟友会のメンバーを集めて協議をするとか、重点的なもっと大がかりな駆除に取り組むなどの対策を行う必要があると思います。 さらには、猟友会のメンバーも高齢化と会員数の減少の中で十分な駆除をすることができないわけでございますから、事態は急を要することとなっており、行政主導による東広島地域全域の猟友会同士の連携を促すような
取り組みを行うべきだと考えますが、執行部のお考えをお伺いいたします。 以上で初回の質問を終わります。
○議長(
坂本一彦君) 答弁を求めます。
◎市長(藏田義雄君) 議長、市長。
○議長(
坂本一彦君) 藏田市長。
◎市長(藏田義雄君) (登 壇) 杉原議員の御質問に対しまして、私からは平和の日の制定につきまして御答弁を申し上げます。 戦後66年が経過した今日、戦争や被爆体験のある方々の高齢化が進む状況の中で、市といたしましても戦争や被爆体験の継承、さらには未来を担う
子供たちが平和の大切さを学ぶ機会を得ることは非常に重要なことであり、意義のあることと認識いたしておるところでございます。 本市では、議会の議決によりまして平和、非核兵器都市宣言を行っておりまして、これまでも国際会議への参加、そして平和活動を行う団体や市民団体への支援、そして核兵器に対する抗議活動など、非核平和行政を推進してきたところでございます。 また、広島原爆の日、長崎原爆の日、そして終戦の日には市民の皆様方に広報紙等を通じまして平和を祈る黙祷を呼びかけさせていただき、当日市役所と支所のサイレンを吹鳴いたしまして、戦争や原爆により亡くなられた方々に対し弔意をあらわしておるところでございます。 さらに、昨年からは市の主催で戦没者追悼式並びに平和祈念式典を開催させていただき、戦争や被爆の悲惨な記憶が薄れる中、こうした行事を全市的に統一して実施しますことは、平和の尊さを市民に広く伝えることができ、市民一人一人が平和や命の大切さを考える上で貴重で有意義な機会であると考えておるところであります。 このほか、毎年さまざまな平和行動団体や地域の有志の方々が8月6日の原爆の日、また8月15日の終戦の日を平和を学ぶ一つの機会としてそれぞれ自主的かつ主体的に慰霊や啓発活動をされておられるところであります。本市といたしましては、市民の皆様が平和を愛する心を次の世代に確実に引き継げるよう、関係団体と連携を一層図りながら平和行政を推進してまいる所存でありまして、こうした市民や地域での
取り組みや活動が活発に行われていきますよう、側面的な支援を行いながら啓発活動を粘り強く継承いたし、実施してまいりたいと考えておるところであります。 御質問の平和の日の制定につきましては、今後の平和行政や意識啓発のあり方を考える中で市全体での機運の醸成を考慮しながら、また戦没者や原爆死没者の御遺族の方々の思いも尊重しながら十分に議論、そしてまた協議を重ね検討してまいりたいと考えておるところであります。 他の質問に対しましては、担当説明員より答弁をいたします。
◎産業部長(石丸敏和君) 議長、産業部長。
○議長(
坂本一彦君) 石丸産業部長。
◎産業部長(石丸敏和君) (登 壇) 私からは、鳥獣対策について御答弁申し上げます。 まず、大型囲いわなの実施と成果についてでございますが、囲いわなの主な特徴といたしましては、1点目として従来の箱わなとは異なり、有害獣を単体ではなく群れで捕獲することが可能であること、そして2点目に数十メートルの延長に及ぶワイヤーメッシュさくを併用した構造であることから、侵入防止策としても活用できることでございます。 本市では、昨年度有害鳥獣被害防止総合対策交付金などを活用し、福富地区などに設置したところであり、既に設置から半年を経過しておりますが、現段階では有害獣の群れ単位での捕獲には至っていないものの、少数ではございますが、イノシシ、タヌキの捕獲が見られたほか、ワイヤーメッシュさくの存在により集落への有害獣の侵入を阻止あるいは減少させるなどの効果はあったものと考えております。 また、えさの補給や破損時の簡単な修繕など常時地元において維持管理等を行っていただく必要があるため、設置時には農業生産法人の設立地域を選定いたし、各法人と囲いわなの管理に係る協定書を締結し、地域と一体となって取り組んでいるところでございます。 なお、設置後実際に運用する中でわなの仕様や規格、設置位置などさまざまな御意見をいただいておりますので、これらの御意見も踏まえ今後の活用方法を検討し、細部を改良するなどして設置に伴う効果をより高めてまいりたいと考えております。 次に、絶対数の削減対策についてでございますが、本市はこれまで防御、捕獲、啓発の3つを柱として有害鳥獣に総合的な対応をしてまいりました。このうち防御に該当いたします侵入防護さくの設置事業につきましては、効果的なさくの設置方法や新たな防護さくの研究など検討課題もございますが、一般的な農作物に対する被害の防止手段としては有効なものであると考えております。 一方、捕獲につきましては現在旧町単位でそれぞれに捕獲班がございますが、議員御指摘のとおり主に旧町域で個別に捕獲活動を行うため、町域を越えた捕獲班同士の交流はほとんど見られていないのが実情でございます。しかしながら、イノシシをはじめとする有害獣は町域を越えて移動することもございますため、町域を越えた捕獲活動を重要視する必要がございますことから、昨年度末、東広島市有害鳥獣捕獲対策協議会におきまして、町域を越えた捕獲指示を行うことを確認し、今年度高屋町と福富町、河内町の境界付近において3町の捕獲班に協力を呼びかけ、2度にわたる共同捕獲活動を実施したところでございます。具体的な方法につきましては今後も検討の余地がございますが、合併以前から続く旧町を基準とした境界は、段階を踏みながら徐々に解消する
取り組みを進め、捕獲班の効率的な活動を推進してまいりたいと考えております。 また、狩猟免許取得費補助金制度を活用した新規狩猟者の確保や捕獲用箱わなの新規設置などの対策もあわせて推進し、今後も一層の個体数削減に努めてまいりたいと考えております。 次に、圏域間の協議についてでございますが、さきに実施いたしました安芸高田市との協議においては地形が熟知されていないことや、他市の猟友会が地元地域で活動することに対する懸念があることなどが課題として把握されました。この課題をもとに、昨年度から広島県に調整の仲介と協議の場の設置を働きかけ、今年の7月、広域的な連携体制の整備と効率的な集中捕獲を目的といたしました東広島地域有害鳥獣被害対策広域連携協議会が設立されました。 その後、10月に新たな地域での活動を試みるため、まず世羅町と協議を行ったところでございますが、その結果、今後広島県が総合的な調整を行うこと、そして両市町は実施の時期及び実際の捕獲体制等を検討することなどの役割分担を確認したところでございます。秋を迎えまして入山者が増加し、また狩猟期間に入ったことから現在まで具体的な実施には至っておりませんが、実施時期につきましては継続的に協議をしておりまして、今後他市町にも連携を広げていきたいと考えております。 次に、猟友会との協議でございますが、本市では県、警察、農協、漁協関係者を交え、東広島市有害鳥獣捕獲対策協議会を設置しておりまして、市内の被害状況や狩猟活動に係る問題点等について意見交換及び情報の共有を図ってまいりました。その中で、さきに申し述べました囲いわなの設置や町域を越えた捕獲指示に基づく複数の捕獲班による共同捕獲活動、他市との連携活動などを協議、報告し、事業の効率化に努めているところでございます。しかしながら、御指摘のとおりさまざまな課題に対処するためには猟友会員の皆様のさらなる御協力が必要であると認識しておりますので、本市全域の捕獲班の連携に向け
取り組みを強化してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、農作物への被害を防止し、農家の生産意欲を高めるため、引き続き猟友会など
関係機関と協議連携し、効果的な鳥獣対策を進めてまいりたいと考えております。
◆9番(杉原邦男君) 議長、9番。
○議長(
坂本一彦君) 9番杉原邦男議員。
◆9番(杉原邦男君) 平和行政についてでありますが、私はかなり前向きな御答弁をいただいたというふうに思っております。戦没者あるいは原爆死没者にはそれぞれ遺族会があられます。十分なこれから議論、協議を重ねていく中で、ぜひとも市といたしましても前向きに取り組んでいただきたいと。我々もこういった会合を重ねてまいりますんで、今後ともひとつよろしくお願いをしたいと思います。 さて、有害鳥獣の件でございますけども、前からいろいろとお願いをしておりますけども、実績が上がってないということを先ほど言わせていただきましたけども、部長の苦肉の答弁と申しますか、懸命の言いわけと申しますか、いろいろとお話は聞かせていただいておりますけども、まだまだこの協議すらが実際満足のいくようにできてないんじゃないかというふうにも思えるわけでございます。 この東広島圏域におきましては、イノシシは全圏域に生息をしていると思いますけども、シカにつきましたら平成の一けた台におきましては今の安芸高田市の中の向原、境に鷹ノ巣山という922メーターの山がございますけども、このふもとあたりで林道を通っているとたまに見るというのが実情でございます。しかしながら、それから爆発的に増えまして、もう福富、豊栄あるいは造賀のあたりまでは頻繁にしょっちゅう見る。日中でも出ているというような状況でございまして、イノシシ対策プラスこのシカと。これも近い将来、恐らくこの圏域一帯に生息するんではなかろうかということが懸念されております。これは今日の質問もさせていただいた中で、イノシシ、シカは絶対数が増えていると、年々増えているという実情の中で、もうこれを駆除するしか私は農業を守るということはできないというふうにも思っております。 昨日も同僚議員の中からTPPの話が出ましたけども、TPP以前の問題であるというふうにも思っておりますし、今までとってこられた防御だけでは個体を減すことはできませんので、ぜひともそういった大量駆除、この大型囲いわなにわしは非常に期待をしておりましたけども、その成果もまだ上がってない状況でございますが、これ新年度においてぜひともこういった大型囲いわなの普及をある程度今の法人だけでなくして地域地域で認めてもらうような施策をお願いしたいと思いますが、そのあたりについてはどういう見解でしょうか。お聞かせ願いたいと思います。
◎産業部長(石丸敏和君) 議長、産業部長。
○議長(
坂本一彦君) 石丸産業部長。
◎産業部長(石丸敏和君) 広域的な
取り組みについてでございますけれども、これは先ほど御答弁をさせていただきましたように、必要であるというふうに思っております。そういったことで、町界を越えた
取り組み、あるいは広域圏での連携など、
取り組みを進めている部分もございます。これで現在の対応で十分だとは思っておりません。今後とも、対策の強化については努力してまいりたいというふうに思います。
◆9番(杉原邦男君) 議長、9番。
○議長(
坂本一彦君) 9番杉原邦男議員。
◆9番(杉原邦男君) それと、やはり私は今のイノシシにいたしましても、シカにいたしましても、質問の中で学習能力があるという話もさせていただきましたけども、やはり猟師さんが撃てる範囲と申しますか、民家から500メーター離れてなきゃならんとか、あるいは墓地から何百メーター離れとらないけんとかということがあって、また日の出から日没までという制約もございます。そういったことになりますと、里山へ住んで、家の近くへ住んどるほうがやつらにとってみたら一番安全なんですよね。そういうこともだんだんと学習をしてくんじゃなかろうかということを非常に心配をしております。家の近くにおれば、ツバメなんかはわざと家の中へかけるということも言われておりますけども、そういったこの有害鳥獣、特にイノシシであるとかシカであるとかが里山の民家の近くで生息を、そこにおれば猟師もこれをよう撃たんだろうということもわしはその学習能力の中でだんだんと知ってくるんじゃなかろうか、山奥へおるよりか人里近くにおったほうが安全だということも当然学習してくるんじゃなかろうかという懸念を持っております。 そういったときに、先ほど申しましたけども、猟友会の方に本当に、猟友会でなくてもいいんですけども、犬、猟犬、こういったことに対しても今のGPSの補助等々も一つ本気でこれ考えてみていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
◎産業部長(石丸敏和君) 議長、産業部長。
○議長(
坂本一彦君) 石丸産業部長。
◎産業部長(石丸敏和君) 捕獲班との連携につきましては、各班員への周知などについてその方法等も含めまして今後検討をまたしてまいりたいというふうに思っております。 それと、GPS機器の補助についてでございますけれども、現在東広島市で捕獲されておりますイノシシあるいはシカ、これの8割から9割程度は今現在で申し上げますとわなのほうで捕獲をしております。こういった実態もございますので、今のGPSにつきましては引き続きちょっと検討課題とさせていただきたいというふうに思います。
◆9番(杉原邦男君) 議長、9番。
○議長(
坂本一彦君) 9番杉原邦男議員。
◆9番(杉原邦男君) 箱わな等々で駆除が大型だからということでございますが、我々はやっぱり猟師さんが大量駆除のほうに協力をしてもらって、またこれを猟犬が追う、あるいは猟師が撃つということによってやっぱりある程度の抑制の効果があるというふうに思っております。出ても何の危害も加えないということになれば、これはますます出てきて、特に日の入り後に出るわけですね。それいよいよ民家の近くで出るわけですから、そういったものが駆除できない。しかし、里山におってもなかなか駆除できないということでございますが、やはり犬、猟犬がこれを追い詰め、猟師が撃つということであれば、なかなか里山あるいは民家の近くへ出てこれないような恐怖感も与えることはできると思いますけども、一つぜひともこれは大型は箱わなでとっているからということでございますが、しかしこれは増えているほうがまだ多いわけでございますから、駆除よりか増えているほうが多いわけでございますから、やはりそれを減少させていくためには、ぜひともこの猟友会の協力が必要なわけでございますんで、そこらあたりを十分新年度の予算に取り組んでいただきまして、本当に大量の駆除を具体化していただきまして、新年度で本当に取り組むんだという決意と申しますか、そういったものを部長のほうからはっきりと言っていただければこれで質問を終わりますが、どうでしょうか。
◎産業部長(石丸敏和君) 議長、産業部長。
○議長(
坂本一彦君) 石丸産業部長。
◎産業部長(石丸敏和君) 新年度予算につきましては、この場で、この時点でお答えはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、捕獲というのは極めて重要だというふうに思っておりますので、そういう思いで今後引き続き取り組ませていただきたいと思います。
◆9番(杉原邦男君) 議長、9番。
○議長(
坂本一彦君) 9番杉原邦男議員。
◆9番(杉原邦男君) 新しく取り組むということになりますと、やはり新年度事業ということになろうかと思います。予算のことは今なかなか言いにくいところがあろうかと思いますけども、ぜひとももう増え過ぎて困ってるという実態があるわけですから、それに対応できるだけの施策を今後お願いしたいと思います。取り組むということでございますんで、取り組んでないものを今ここでくどくど言うことも控えますけども、とにかく全力で取り組んでいただくことをお願いいたしまして、私の
一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(
坂本一彦君) これをもって9番杉原邦男議員の
一般質問を終わります。 暫時休憩いたします。 午前11時30分 休 憩────────────────── * ────────────────── 午後1時16分 再 開
○副議長(中曽義孝君) 再開いたします。 坂本議長から、所用のため、午後の会議を欠席する旨の届け出がありました。したがいまして、これより私副議長が議長の職務を代行いたしますので、よろしくお願いします。 引き続き、
一般質問を行います。 6番加根佳基議員の一問一答方式による
一般質問を許します。
◆6番(加根佳基君) 議長、6番。
○副議長(中曽義孝君) 6番加根佳基議員。
◆6番(加根佳基君) (登 壇) 皆さんこんにちは。公明党の加根佳基でございます。 議長より発言の許可をいただきましたので、最後まで元気いっぱいに質問をさせていただきますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 さて、今年も早いもので、あと少しとなりました。年頭に掲げた自身の決意、目標はどこまで達成したのか、日々自問自答し、反省することしばしばでございます。今年は何といってもあの未曾有の大災害、東日本大震災であります。多くの犠牲者の皆様への御冥福を心からお祈りするとともに、そして一日も早い復旧復興を願うものでございます。 現地の仮設住宅では、これから本格的な冬を迎えるわけでございますけども、何と寒さ対策が全くできてないということがあります。政府のこれまでの対応の遅さに本当にあきれるばかりであります。昨日、東日本大震災の復興の司令塔となる復興庁設置法案が採決され、可決されたところでございます。スピード感を持ってしっかりと進めてもらいたいものでございます。 さて、我が東広島市の現状は、現在建設中の本庁舎、さらに移転間近の消防庁舎、市民ホールの建設に、そして10年後にはごみ処理施設など大型事業が目白押しであります。大型建設事業が続く中、これまで以上に我々議員はしっかり力を合わせ、市民の皆様の生活の諸問題にしっかり耳を傾けて、皆様の声をこれまで以上に反映させていかなければと強く思うところであります。常に何のため、この根本目的を忘れることなく頑張ってまいりたいと思います。 それでは、質問に入らさせていただきます。 まず1点目、ドクターヘリ配備について本市の
取り組みを伺いたいと思います。 日本では、2001年にドクターヘリ導入促進事業が開始され、現在までに導入されているドクターヘリは全国で23か所に、そして28機が配備されております。中でも既に配備拠点も拡大し、2機から3機へと有しているエリアもあります。 ドクターヘリとは、ここで若干説明させていただきますが、ドクターヘリは救命用の医療機器を装備して消防署や病院などからの出動要請に基づき、救急医療の専門医や看護師が搭乗して救急現場に向かい、現場から適切な病院に搬送するまでの間、患者に救急医療を行うことのできる専用ヘリコプターであります。 4年前のドクターヘリ導入について
一般質問をさせていただいたときは、この東広島への導入については県央地区のこの最も機動効率のよい地域であり、さらに他市町への連携拠点として極めて重要な拠点であることから、ドクターヘリの必要性を訴えさせていただきました。他県での一つの例として、交通事故による一分一秒を争う事態でその子供の命を守った実績を紹介させていただきました。今回、全国でさまざまな事例がある中で、甚大な被害を受けられた東日本大震災ではエリア拠点を離れ、その守備範囲を超え、支援のために出動されました。その出動機数は、全国から22機のドクターヘリがあったと聞きます。その22機の活動期間は、大震災発生の日を含めてほぼ5日間、長いもので1週間に及んだとも聞きます。この間、ドクターヘリが診療し、搬送した患者数は147名と推定され、一方でドクターヘリに乗っている医師や看護師のほか、災害派遣チームの医師、看護師を現場に送り込んだり、また病院に孤立した患者98人を含め、同病院の医師とその他職員も含め、合わせて300人余りの救出搬送に当たったとあります。ただし、これらの数字は災害時の混乱のため判然としませんが、いずれにせよドクターヘリは大震災に際して相当の役割を果たしていたと言えます。そしてまた、ドクターヘリ導入によってさらなる大きな効果は中山間地域、そして離島などの医療格差の解消に向けても大きく貢献していくのではないでしょうか。 この中国地区においては岡山が2001年に導入、運航を開始され、そして山口県、島根県と徐々に広がっております。いよいよこの広島県での導入が具体化され、2013年には待望のドクターヘリが配備されることになります。これによって、救命率の向上や後遺症の軽減を図ることができ、市民の皆様の安全・安心な暮らしを実現することができ、大変に期待されるところでございます。 これまで本市においてはドクターヘリ的事業として消防防災ヘリを活用し、市民の皆様の救出に大変な実績を上げています。これまでの
取り組みがさらに生かされ、より迅速に対応がなされていくことは間違いありません。これからさらに県と医療機関がより具体的な検討をされていきますけども、本市としてもそれに対応できる体制を検討する必要があると思います。中でも、極めて重要になってくるのがヘリの離着陸設備、いわゆるヘリポートだとも思います。 ヘリポートの種類や用途について若干説明をさせていただきます。 ヘリコプターが離着陸できる場所を総称して、これをヘリポートと呼ばれております。ヘリコプターの離着陸場は、幾つかの種類で分類されており、大別して3種類に分類することができます。常設用として、そして公共用ヘリポート、非公共用ヘリポートがあり、臨時用あるいは捜索、救助用で飛行場外離着陸場があります。さらには、緊急救命用スペースで離着陸を行わない屋上のホバーリングスペースなどもあります。これら公共用、非公共用ともに常設で特定のヘリコプターの離着陸及び運航のために設けられたヘリポートであります。 場外離着陸場は、臨時離着陸場で運航したごとに国土交通大臣の許可を必要といたします。消防防災ヘリポートとしての利用や薬剤散布あるいは木材搬出のための臨時基地、その他やむを得ない理由で離着陸をする場合に利用することができます。 防災対応離着陸は、災害時において緊急の活動を行うための目的で設定される離着陸場で、その空域や設置のための制限が大幅に緩和されております。 さまざまなヘリポートのある中で、本市が計画しているヘリポートについてお伺いしたいと思います。 先日の常任委員会において、ヘリポート整備計画の説明をお聞きしましたが、いま一度詳しく説明をいただければと思います。そして、現在まで本市が臨時に離着陸できる箇所は22か所と聞いておりますが、今後常設としての考えはないか、あわせてお聞きいたします。 次に、東広島全域の排水処理について伺いたいと思います。 汚水処理施設の全体的な
取り組みとして、市民の皆様が快適に暮らしていける生活環境を提供していく上で行政側の責任として一番求められているのが水環境であります。適正な水処理が求められている中、最も必要とされるのが汚水排水処理であることは言うまでもありません。汚水処理施設は、国民生活に必要不可欠な生活環境施設でもあり、これは国の責任においてもしっかり整備していかなければとも思います。それぞれの汚水処理施設の特徴、特性に基づいて地域の特性を十分踏まえながらしっかり整備を行っていかなければなりません。その
取り組みの際には当然経済的効果と必要とされる汚水処理の性能や維持管理体制、周辺環境の影響などを考慮し、さまざまな手法をとっていく必要があります。 本市における下水道事業の進捗率は、全国平均、また県平均を大きく下回り、事業目標の約3割程度と認識しております。どこにその原因があり、そしてその対策に対しては今後どのように取り組まれようとされているのか、伺いたいと思います。 また、農業集落排水においても目標接続率に到達していない状況だとも認識しておりますが、これについても下水道同様どこに原因があり、今後どのような対策を講じていくのか、お伺いいたします。 下水道の整備が進んでいない地域に水洗化要望を満たすことを目的として単独処理浄化槽が急速に普及いたしましたが、当時この浄化槽では設備の維持管理を怠ることによって公共用水域の汚染が懸念され、問題化された経緯があります。これまでにさまざまな
関係機関の
取り組みと法改正によって浄化槽の取り巻く環境は顕著に改善されてきているのも事実でございます。小型浄化槽についてでありますが、現在の進捗状況を伺いたいと思います。 これまで強力に推進し、国の補助、県の補助、市の補助を受けて普及の促進と適正管理を行っておられますが、まだまだ水質の改善が図れていないエリアがあることも懸念いたします。これらの生活排水対策は極めて重要であります。 そこで、小型浄化槽の進捗状況と課題とその対策について伺いたいと思います。 広島県の汚水処理構想の分析によると、財政状況の厳しさによる各事業、予算の不足による鈍化あるいは人口減少や高齢化、過疎化の進展による計画策定時からの集落など生活状況の変化あるいは単独浄化槽から合併浄化槽への切りかえのおくれなど幾つか上げられておりますが、その解決に当たっては具体的に取り組んでいるものと思います。そこで、本市における汚水処理の現状に対し、今まさに直面しているこの課題解決に当たっては、どのような
取り組みを考えているのか。本市では、新たな行政改革の主な計画項目に東広島市汚水適正処理構想の見直しが記されておりますが、今後どの分野を中心に具体的に進められていくのか、お伺いしたいと思います。 最後の質問となりますが、団地所有のコミュニティプラントについてお伺いいたします。 小規模下水処理装置、いわゆるコミュニティプラントについて伺いたいと思います。 その前に、このコミュニティプラントが普及に至るまでの経緯を若干触れさせていただきます。さらに、どういったものかを説明させていただきたいと思います。 これは1965年ごろから住宅団地、ニュータウン造成、学園都市の建設、さらに地域開発などに意欲的に進められる中、公共下水道整備が重要視されてきました。そこで、政府は1967年に下水道整備緊急措置法を閣議決定し、下水道とは別にコミュニティプラントの整備も認可され、その後市町の発展に伴って普及していきました。市町村が一般廃棄物処理計画に基づき地域し尿処理施設として設置、管理するし尿と生活雑排水をあわせて処理するための小規模な汚水処理施設であり、地方公共団体、公社、公団などの公的機関、民間開発者の開発による住宅団地などに設置される合併処理施設のうち、環境省所管の地域し尿処理施設整備事業により整備されるものを言います。しかし、国土交通省所管の下水道法で定める公共下水道、農林水産省所管の農山漁村集落排水処理施設を除いて厚生労働省所管の地域し尿処理施設は集合住宅や団地が単独で汚水を処理するための施設をコミュニティプラントという場合もあり、この場合建設及び管理は原則として市町村が行うこととなっております。このようなさまざまな部署が所管される中、年数がたつにつれて我が地区のこの団地はどこの所管かわからなくなるのではとも思われるような、実に複雑であります。 若干前置きが長くなり、説明が長くなりましたが、最近の近隣団地の生の声を聞いておりますので、御報告させていただきます。 ある団地の大きな問題として取り上げさせていただきたいと思いますが、そこの団地は昭和40年代前半に造成された団地であります。汚泥処理槽の大きな問題が発生して既に13年を経過しており、いまだ手の打ちようがないくらい未解決であります。今後、どのようにしてその対策を考えたらよいかわからない状況でありました。一番の問題は整備費用であり、その整備費用は住民負担となるのはわかります。しかし、見積もりを見て本当に驚くばかりでございます。何と3億円から4億円かかるとのことであります。ここは250世帯で、単純に割ると最低でも1世帯約120万円が必要となります。しかしながら、世帯の約50%が最近の個別処理を行っており、出費費用に対して不公平感がそこには生じてくるものも当然でございます。 個別処理を行っている世帯を除いての費用であれば、世帯当たりの整備金額も約2倍と単純に計算することができます。しかも、この団地では高齢者の方が多く、ほとんどが年金生活者でもあるわけで、とても簡単に支払える額ではありません。このような問題は、市域の中で幾つかあるのではないでしょうか。行政に対して具体的な救済策を求められる市民の気持ちは本当にわかります。 一方、造成されて16年、比較的新しい団地では、民間業者、管理組合にその設備の維持管理を委託しています。浄化槽だけの修繕費用で過去12年間で約800万円強かかっていました。さらに、年間のメンテナンス費用は1,100万円であります。この団地の世帯数は320世帯で、単純に世帯で割ると1世帯当たり年間約3万4,000円、修繕費を合わせても3万6,000円ぐらいで済んでいるわけです。がしかし、将来に、10年、20年とたつにつれ、浄化槽、プラントのオーバーホールのときは必ず来るわけですから、大変な費用が生じてくることも忘れてはなりません。この団地では、業者からは今後修繕費及び管理費など
リスク管理計画を提出されるとのことでしたので、それを参考に今後団地内でしっかり検討されるのではないでしょうか。 このように、管理会社がしっかりと見ていただいている団地では、比較的安心して任せている様子でありますが、しかしながら管理システムの違いはあるとはいえ、いつどのようなことが起きるかわかりません。平時での議論はしっかりしておかなければなりません。 浄化槽における各団地の問題点はさまざまだと思いますが、先般麻生議員さんの質問に対して各団地のアンケート調査を実施するとありましたが、まだ2か月程度でしょうか、そんなにたっていませんが、市域のこの実態をどのようにとらえているのか、伺いたいと思います。 また、その課題に対する本市の考えを伺いたいと思います。 以上で初回の質問を終わらさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○副議長(中曽義孝君) 答弁を求めます。
◎副市長(城信誠君) 議長、副市長。
○副議長(中曽義孝君) 城信副市長。
◎副市長(城信誠君) (登 壇) 加根議員の御質問のうち、私からは東広島市全域の汚水処理施設の全体的な
取り組みについて御答弁を申し上げます。 本市での汚水処理の
取り組みといたしましては、平成19年度に策定いたしました東広島市汚水適正処理構想におきまして、地域の特性や経済性などを考慮しながら公共下水道などの集合処理や浄化槽の個別処理について区域ごとに最適な整備手法を決定し、効率的な整備を進めているところでございます。 まず、公共下水道の進捗状況についてでございますが、公共下水道は全体計画4,757ヘクタールのうち現在2,757ヘクタールについて下水道法に基づく認可を取得し、事業実施しているところでございます。平成22年度末における整備状況としましては、整備済み面積1,833ヘクタール、整備区域内人口約6万4,500人でございまして、全国的に下水道整備の指標とされております市全体の総人口を分母といたします下水道普及率は36.1%で、全国平均の75.1%や広島県平均の68.9%と比べ低い状況でございます。 課題といたしましては、終末処理場や管路整備の初期投資に多額な費用を要すること、末端まで整備するのに多くの時間を要することなど、そのほか速やかな普及を図ることも課題として上げられます。これらの対策といたしまして、事業実施に当たり密集度の高い地域や接続要望の高い地域を優先的に整備することとしておりますほか、設計段階から地元説明会を実施し、下水道事業に対する理解を深めるとともに、下水道への速やかな接続など普及活動に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 次に、農業集落排水では4地区65.6ヘクタールにおいて事業実施済みで、整備区域内人口は約3,100人でございます。進捗状況でございますが、平成23年11月末時点での接続率は、志和堀地区が81.4%、板城地区が84.8%、保田地区が75.6%、大内原地区が73.8%となっており、全体では81%の接続率となっております。 課題といたしましては、低い接続率がございました。その理由として、年金暮らしであるなどの
経済的理由のほか、後継者がいないこと、浄化槽を既に設置済みで接続を特に急いでいないなどによるものでございます。 接続率の向上に向けた対策でございますが、接続率の低い保田地区におきましては、地区推進委員によります戸別訪問を行い、接続率の向上に向けた積極的な
取り組みがございます。また、各処理区におきましても引き続き啓発に努めますとともに、処理能力の範囲内ではございますが、新規加入者の受け入れも行ってまいりたいと考えております。 次に、浄化槽設置の進捗状況についてでございますが、団地等における大型集中浄化槽を含めまして現在1万5,600基が設置され、約5万7,100人が利用されております。小型浄化槽につきましては、平成元年度に東広島市小型浄化槽設置整備事業補助金交付要綱を制定し、国及び県の補助制度を活用して普及促進を図ることとしております。平成22年度末までに約1万300基の補助を行ってまいりました。この結果、公共下水道事業及び農業集落排水事業の計画区域以外での普及状況といたしましては、対象人口に対しまして約72%程度まで向上してまいりましたが、今後約6,000基の整備が必要と想定しております。 課題といたしましては、普及促進が設置者個人にゆだねられること、市の補助制度継続の前提でございます国及び県の補助金の動向が不透明であることがございます。この対策といたしまして、今後も補助制度により年間約400基程度の普及を継続し、着実な推進を図ることを計画しておりますが、国及び県の制度維持が不可欠であり、この動向について注視するとともに、財源確保のための要望を行ってまいりたいと考えております。 以上のことから、平成22年度末現在で公共下水道、農業集落排水に浄化槽を加えたいずれかの方法で生活排水処理を行うことができる人口は約12万4,700人で、総人口に対する普及率は69.8%となっております。冒頭で説明しましたように、汚水適正処理構想は市域全体の生活排水処理に関する基本事項を定めたもので、集合処理と個別処理との効率的な配置を示したものでございます。 御質問のように、現在新たな行政改革の実施計画項目として汚水適正処理構想の見直しを掲げ取り組んでいるところでございまして、平成22年度には黒瀬処理区につきまして、また本年度につきましては東広島処理区において区域の見直しを行っているところでございます。 今後につきましても、社会情勢や経済情勢などの状況を見きわめ、汚水処理の現状把握や課題解決を反映した見直しが適宜必要であると考えておりまして、実態に応じてできるだけ柔軟でかつ機動的に汚水適正処理構想の見直しを実施してまいりたいと考えております。また、事業効果を高めるために利用者への積極的な普及活動もあわせて行ってまいりたいと考えております。
◎消防局長(横山信明君) 議長、消防局長。
○副議長(中曽義孝君) 横山消防局長。
◎消防局長(横山信明君) (登 壇) 私からは、ドクターヘリ配備について御答弁申し上げます。 まず最初に、ドクターヘリについてでございますが、現在広島県において有識者や救急医療、消防関係者等で構成される協議会を設置し、ドクターヘリを最も有効に活用するための協議やヘリポートの適正位置、騒音等に関する調査を行っており、平成25年度の運航開始に向けて準備を進めていると伺っております。 こうした中、本市のヘリポート整備計画についてでございますが、御承知のとおり現在本市には消防救急業務のための常設ヘリポートがないため、ヘリコプター搬送が必要な災害や救急患者が発生した場合には、その都度市の運動公園や近隣の教育機関のグラウンド等を使用しているのが現状でございます。しかしながら、各種行事等で使用できない場合には、他の空き地を新たに調整することが必要となるなど、一刻を争う迅速な対応が求められるヘリコプター搬送の障害となっているのが実情でございます。 これらの状況を踏まえ、以前より常設ヘリポートの整備を検討しておりましたが、このたび東広島医療センターの病棟改築工事に伴い、診療棟に隣接した位置にヘリポートに必要な空き地及び航空法に基づきます空域が確保されることとなったことから、東広島医療センターの敷地内にヘリポートを整備しようとするものでございます。 東広島医療センターには、平成22年中に東広島市内で発生した救急件数6,303件のうち30%以上が搬送されており、本市や竹原市、大崎上島町を含みます広島県中央保健医療圏の中核医療機関となっているとともに、広島県が定めた広島県保健医療計画にも東広島医療センター付近にヘリポートの設置が位置づけられております。現在、広島県内のヘリコプターは広島県と広島市が保有する2機体制により火災や救急救助活動に運用されておりますが、いずれも広島市消防局が一元管理し、要請場所、災害の状況などを考慮し、この2機のどちらかが出動しており、迅速な対応が可能となっております。計画しております常設ヘリポートが整備されれば、ヘリコプターから直接医療機関へ傷病者を収容し、医師による治療が迅速に受けられるばかりでなく、他市にございます三次救急医療機関への搬送が可能となり、搬送時間の大幅な短縮や患者負担の軽減が図られ、傷病者の救命率の向上、また後遺障害の軽減につながるものと期待しております。 ヘリポートの整備に当たりまして、用地は東広島医療センターから無償での借地とし、工事に係る費用については本市が負担することとしております。また、ヘリコプターの離着陸に際しては、騒音やダウンウォッシュ、下向きの気流でございますが、などを伴いますことから地域住民はもとより
関係機関、各種団体等への説明や調整を行いながらこの事業を推進してまいりたいと考えております。 次に、臨時ヘリポートの常設化に向けての考え方についてでございますが、現在市内には東広島市地域防災計画に掲載しておりますように、22か所を緊急離着陸場として位置づけており、その中で現在使用可能な20か所を使用することとしております。その中で、市内中心部、また南側の地域では東広島運動公園のグラウンドを主に活用し、安芸津町地域では安芸津市民グラウンド、北部地域では福富ダム敷地内の空き地、河内町の入野地域などでは直接広島県防災航空隊基地への搬送なども行いながら活用しているところでございます。 ヘリコプターの離着陸は、飛行場のほかに常設の場外離着陸場と災害対応を前提に緊急時に離着陸可能となる適地を緊急離着陸場となっており、本市の20か所はすべて緊急離着陸場となっております。常設ヘリポート、いわゆる場外離着陸場には航空法に定められた設定基準がございまして、原則他の土地利用ができないことや離着陸帯の規模に加え着陸する場合には250メートルにわたり4分の1以下、離陸に際しては500メートルにわたり8分の1以下の勾配の表面を超える高さの障害物がないことなどが定められております。また、風向きにより離着陸の2方向が確保されることや、ダウンウォッシュなどの風対策や騒音などに伴います周辺対策が必要となります。このように、常設ヘリポートの設置に当たりましてはさまざまな基準をクリアしていく必要がありますが、先ほど御説明申し上げましたように、広島県において平成25年度から正式にドクターヘリの運航が計画されており、今後ヘリコプターの活用が一層増加すると考えております。したがいまして、常設ヘリポートの必要性を十分認識しながら設置基準や費用対効果も含め総合的にその整備について検討してまいりたいと考えております。
◎生活環境部長(松尾祐介君) 議長、生活環境部長。
○副議長(中曽義孝君) 松尾生活環境部長。
◎生活環境部長(松尾祐介君) (登 壇) 私からは、団地所有のコミュニティプラントについてお答えします。 はじめに、市域のコミュニティプラントの実態をどうとらえているのかとの御質問についてでございますが、団地に設置される大型集中浄化槽につきましては、御承知いただいておりますとおり公共下水道事業認可区域内のものは将来的に公共下水道に接続されますが、公共下水道認可区域外のものにつきましては将来にわたって関係住民が共同で維持管理しながら使用していくこととなります。このため、浄化槽の定期的な保守点検や大型修繕への対応、万が一故障した場合への対応、団地住民の高齢化や戸数の減少による個別負担の増大など、将来的な維持管理費負担に対して浄化槽管理者や住民の皆様が危惧されているとの話を伺っております。 浄化槽は、家庭から毎日排出されるし尿と雑排水を処理するもので、日常生活に不可欠の設備であり、突然に故障しますと直ちに住民生活に重大な影響を及ぼすことから、住民の皆さんの御心配も当然のことと思います。現在、本市ではこうした公共下水道認可区域外に設置されました大型集中浄化槽が48団地で設置されていることを把握しておりますが、それぞれ浄化槽管理者の責任において管理されておるため、市としてこれまで詳細な実態までは把握してなかったところでございます。しかし、浄化槽管理者から要望や相談がありますことから、住民の皆様の不安を取り除くためにも実態を把握する必要があると考え、11月から順次実態調査をさせていただいておるところでございます。 その調査内容としましては、管理主体や施設の状況、保守点検や清掃等の維持管理の状況、維持管理費や積立金の状況、市への相談事項をお尋ねしておるところでございます。 現在、10の団地から回答をいただいておりますが、年度内をめどに実態を把握し、全体的な課題の整理を行いたいと考えております。 次に、課題に対します市の考えについてでございますが、今後この調査表をもとに維持管理状況を把握し、団地ごとの課題等を改めて整理した上で維持管理方法や将来に備えての資金積み立てなどについて連携して改善策の協議をしてまいりたいと考えております。多くの団地では、既に維持管理及び修繕のための将来計画を立てて管理されているものと考えておりますが、全市的にこうした
取り組みを行うことで浄化槽の長寿命化のための計画的修繕や資金計画を再度検討していただく機会になるものと期待しておるところでございます。
◆6番(加根佳基君) 議長、6番。
○副議長(中曽義孝君) 6番加根佳基議員。
◆6番(加根佳基君) 御答弁それぞれ大変ありがとうございました。 順番でいきますと、下水道部のほうから答弁ありましたんで、再質問をさせていただきます。 実に下水道の事業の
取り組みに関してですけども、本当に大変苦労されてるという部分が事実知ります。計画するも市民の合意を得られるまでの時間が非常にかかっている。さらには、合意していただけなければ全く進むことができず、結局は頓挫してしまうという。事業を進めたいけども、しかしなかなか難儀でございます。ジレンマ状態となります。本当に御苦労がわかります。しかし、東広島の環境向上のためにもしっかりと粘り強く取り組んでいただきたいと思います。 答弁の最後に何を中心に事業実施するかという、そういう観点ではないということで、実態に応じてできるだけ柔軟にかつ機動的に生活排水処理構想の見直しを実施するというふうに御答弁いただきました。 先日、これは福山のほうの
取り組みなんですけども、中国新聞に福山市の記事が掲載されておりまして、内容は市街化区域以外にも下水道の整備を広げようとするとのことでありました。基準と条件が合えばの話でしょうけども、しかしそこには大変大きな悩みがあったわけです。芦田川の一級河川、何と汚染が40年間続いてたと。この改善に向けての計画を具体的に起こしていこうとするこの姿勢、
取り組みは、まさに市民の皆様の生活環境の向上についてつなげていこうという、こういう前向きな姿勢でありました。本当に感心いたします。 そこで、本市この部分を見てどのように今後、この
取り組みに対してどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。
◎下水道部長(松岡義雄君) 議長、下水道部長。
○副議長(中曽義孝君) 松岡下水道部長。
◎下水道部長(松岡義雄君) はじめに、本市の下水道事業等につきまして御理解をいただきましてありがとうございます。 先日の新聞報道でございますが、内容を繰り返しますと福山市では今後市街化区域のみであった下水道の整備エリアを家屋の連檐したという条件ございますが、市街化区域以外においても下水道整備を行うという計画があるとのことでございます。こうした
取り組みが本市においてもできないかとの御質問でございます。 まず、福山市の下水道整備の状況を申し上げますと、市街地面積5,832ヘクタールの下水道整備が完了しておりまして、下水道の人口普及率は66.5%、処理区域の人口に対します水洗化率は約90%となっております。 先ほど、一方で申し上げましたけれども、本市の実態でございますが、人口普及率は36.1%、それから面積整備率は38.5%でございまして、本市におきましてはまずは下水道の未普及対策がまだまだ急がなければならない大きな課題であるというふうに認識しております。こうしたことから、現在昭和51年当初の線引きによりまして市街化区域となりました東広島処理区の八本松地区や平成元年に市街化区域に編入された高屋町の白市地区など、未普及地域の整備を最優先課題としてその整備に今力を入れているところでございます。したがいまして、福山市のような市街化区域以外の下水道計画区域外でございますが、整備の検討は現時点では少し困難ではないかと思っております。 また、都市計画事業でございます公共下水道事業を市街化区域以外で展開することというのが都計税を賦課していない区域での整備ということになりますので、税の公平性という観点からも十分な検討が必要であると思っております。新聞報道では、この辺のところはまだまだ検討をするということをおっしゃってます、福山市さん。そういった意味で、私どもも少し研究したいと思っております。 一方で、先ほど加根議員が申されましたように、少なくともいろんな垣根を越えて環境保全に取り組まれようとされてる、福山市さんは積極的に取り組まれているということ、こういった基本姿勢は私ども見習うべきであるというに思っております。福山市さんが進めようとされている計画まだまだ具体的に中身を把握し切っておりませんけれども、その適正な処理に向けて検討時期は別としまして、採用可能なことは採用してまいりたいと思っております。ですから、下水道は都市施設であるから市街化区域以外では整備することはできないといった紋切り型の思考から入るんではなくて、例えば例外規定で対応するとか、そういったことも。いずれにしましても、市全体の環境がよくなけばというふうに思っておりますので、市全体の環境保全という視点に立って住環境の改善に向けて先ほど申し上げましたように実態に応じた施策を展開したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◆6番(加根佳基君) 議長、6番。
○副議長(中曽義孝君) 6番加根佳基議員。
◆6番(加根佳基君) ありがとうございます。しっかり期待を持って質問させていただいたんですけども、現実はかなり厳しいものがあるということも事実認識しております。しかし、東広島の市民のニーズはさまざまあると思います。しっかりとそれを取り入れるということも考え、今後取り組んでいただければなと期待を持って下水道部への質問は終わらさせていただきます。 次に、水ということで生活環境部のほうへの再質問をさせていただきたいと思いますが、いわゆるコミュニティプラントの実態調査を開始されたということでございます。本当に大変な
取り組みだとは思いますが、しっかりとよろしくお願い申し上げたいと思います。 調査なくして次の一手は打てません。そもそもコミュニティプラントは団地内自治会管理のもので、行政の管理責任からは恐らく外れるものであろうかと思います。しかし、万が一コミュニティプラントが故障すると金額的な問題だけではなく、団地その以外の住民への影響も出てくるものであります。大いにあり得るのではあります。水質が基本基準を超えて排出してしまえば、当然これは悪臭を放ち、周りの環境を相当なレベルで侵してしまうんではないでしょうか。場合によっては使用の禁止もあり得るわけでございます。いずれにせよ、水自体が使えなくなってしまいます。したがって、市民生活に大きな影響を与えてしまい、本当に危惧するところであります。 このようになれば、団地内、自治会だけの問題ではなくなってまいりますので、現在調査段階であるとのことですけども、まずそのような最悪な事態にならないように適切なアドバイスをしっかりしていただくよう、これは強く要望にし、これにとどめたいんですけども、ここでとどめたいんですが、しかしながら答弁の中に10か所調査をもう開始され、アンケートが返って、フィードバックされてるということなもんで、そのもし10か所の中で何か手を打たれたところがあれば、その一例でも御紹介いただければと思うんですが、いかがでしょうか。
◎生活環境部長(松尾祐介君) 議長、生活環境部長。
○副議長(中曽義孝君) 松尾生活環境部長。
◎生活環境部長(松尾祐介君) 実態調査の件でございますけども、この実態調査はアンケート形式で、まずは紙ベースで各団地に出させていただいて、その調査票が返ってきたのがただいま10件という状況でございまして、そんな段階でございますので、まだ例を紹介させていただくところはございませんけども、その10団地から返ってきました調査の内容を少し紹介させていただきたいと思いますけども、内容を見てみますと日常的な保守点検や清掃などにつきましては、どの団地も適切になされておるという状況がうかがえるところでございます。しかしながら、将来的な維持管理の部分という意味では、管理組合が組織としてしっかり機能されておりまして運営をされておるところもございますが、中には将来の修繕に備えた維持管理の基金というようなものが積み立てられていないようなところもございます。それから、毎年役員さんが交代されるなどによりまして、その浄化槽のことは詳しくないというような御意見、状況だというお話も伺っているところでございます。積み立ての金額というもんで少ないものというものもございます。 そういった中で、もう一つにはその制度、整備地区の区域を誤解されておるような回答などもございます。そういった課題がたくさんこのたび10件ではございますが、見えてきたところでございます。もう少ししますとすべて調査する中で全体的な課題の整理も当然行わせていただきたいと思いますが、個々の課題のある団地につきましてはやはり直接お会いして聞き取りなどのお話をさせてもらうんが一番よろしいかと考えておりますので、話の中で課題等も新たなものも見つけ出されるというふうに考えておりまして、しっかりと課題のある団地については未然に防げるような適切なアドバイスをさせていただけたらなというふうに現在考えておるところでございます。 なお、一例ではございますけども、過去にはそういうお話をさせていただく中で集中浄化槽であったのを個別の浄化槽への変換に持っていかせてもらったという実例はございます。
◆6番(加根佳基君) 議長、6番。
○副議長(中曽義孝君) 6番加根佳基議員。
◆6番(加根佳基君) どうもありがとうございました。おっしゃるとおりで、ありがとうございます。本当に紙ベースでやりとりするんではなくて、実は本当に行政の方がみずから現場に行って、その生の声を聞いていただいてより具体的なところで解決策っていうのは打てるんじゃないかな、本当に思いますので、しっかりとこれから取り組んでいただきたいことを期待といたします。 次に最後、ドクターヘリの質問に再質問させていただきたいと思います。 市内の緊急離着陸場常設化に向けてということで、20か所の離着陸場の中でこれまで主に使用されていた離着陸場が、これを常設化にあえて絞って、もし絞っていただけるのであれば、地域とこれまでの実績をかんがみて、南は安芸津の市民グラウンド、そしてさらに福富のダムの敷地内に、その一角、この2か所に常設化可能であるんではないかなと思うわけでございます。大変素人考えで大変恐縮でございますけども、よりベターな位置関係が出てくるんではないのかなと思いますが、その辺いかがでしょうか。
◎消防局長(横山信明君) 議長、消防局長。
○副議長(中曽義孝君) 横山消防局長。
◎消防局長(横山信明君) ヘリポートの常設化についての御質問でございますが、ヘリコプターの着陸場は緊急搬送を含みます災害対応時にはヘリコプターの機長の判断で空き地があればどの場所でも着陸可能となっております。 御質問のヘリポートの常設化については、ヘリコプターの活用に効果的であると考えておりますが、安芸津市民グラウンドにおきましては、ヘリポートの区域が原則他の用途に利用できないことや、風による砂じんを防ぐための整地や暴風フェンスなどの整備を行いますと、グラウンドでの行事開催等に影響が発生することが懸念されます。また、利用制限を設けなければならないことも想定をされております。現在、安芸津市民グラウンドが使用できない場合には、竹原消防署南側にございます常設ヘリポートを活用することとしておりまして、以上のことから今後もこのような対応を行ってまいりたいというように考えております。 福富ダム敷地内の緊急離着陸場はダム敷地内にございまして、車両などの進入が開放されており、公園的な利用がされていることもございまして、また付近には福富運動公園や福富中学校などの緊急離着陸場などもございます。市内における災害救急事案の発生場所と事案場所に対応した臨機応変的な緊急離着陸場を選定して、救急災害等の事案に現在のところ対応していきたいと思っております。 以上のことから、ヘリコプターの常設化につきましては利用頻度や効果など、また平成25年度に広島県が計画をしておられますドクターヘリの運航状況なども含めまして、今後検討してまいりたいと考えております。
◆6番(加根佳基君) 議長、6番。
○副議長(中曽義孝君) 6番加根佳基議員。
◆6番(加根佳基君) 大変ありがとうございました。本当に時間はかかると思いますが、これからも本当に市民の皆様の命を守るんだという大変な使命がございます。市民の皆さん本当に期待してますんで、どうかよろしくお願いいたします。 そこで、新消防庁舎の移転が本当に間近になってまいりました。いよいよ東広島消防局への市民からの期待は絶大なものがございます。そこで、消防局長の新たな決意を一つお願いしたいと思います。
◎消防局長(横山信明君) 議長、消防局長。
○副議長(中曽義孝君) 横山消防局長。
◎消防局長(横山信明君) 新消防庁舎が完成するということで、新たな決意を述べよということでございます。今度完成いたします新消防庁舎は、耐震性を強化されたこれからの消防を担うにふさわしい新庁舎が完成を、近代的な庁舎が完成するということでございます。また、市民の方々にも防災の心得や消火活動や人命救助の方法なども学べる防災センターも併設するということになっております。 消防局は、大崎上島町の島しょ部から中山間地までの約797平方キロを所管しておりまして、今後はこの庁舎を地域防災拠点施設として、さらに安全・安心なまちづくりの実現に向けてなお一層努力してまいりたいと思っております。今後とも、議員の皆様方の御理解と御協力のほどをお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
◆6番(加根佳基君) 議長、6番。
○副議長(中曽義孝君) 6番加根佳基議員。
◆6番(加根佳基君) 大変ありがとうございました。それぞれの部署に大変な期待を持って私の質問を終わります。 以上です。
○副議長(中曽義孝君) これをもって6番加根佳基議員の
一般質問を終わります。 暫時休憩いたします。 午後2時16分 休 憩────────────────── * ────────────────── 午後2時31分 再 開
○副議長(中曽義孝君) 再開いたします。 引き続き、
一般質問を行います。 25番赤木達男議員の一問一答方式による
一般質問を許します。
◆25番(赤木達男君) 議長、25番。
○副議長(中曽義孝君) 25番赤木達男議員。
◆25番(赤木達男君) (登 壇) 市民クラブの赤木達男でございます。3日目の
一般質問、最終バッターということでございますが、しっかりと質問させていただきたいと思います。 今回は、公共交通政策一本に絞って質問をさせていただきます。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、早速質問に入りたいと思います。 現代社会において、国民が健康で文化的かつ最低限の生活をする上で、電気、ガス、水道、通信などのインフラは欠かすことができません。今日、それと同じレベルで移動手段の確保が求められ、その必要度はますます高まっています。東広島市における公共交通政策は、今をおいてない重要な時期にあると思っております。その理由に一つは、少子・高齢化と周辺地域の過疎化が進み、バス路線の廃止や便数削減などで通勤、通学や高齢者の日常生活に支障を及ぼす交通空白地域が広がってきたことです。それは単に周辺地域にとどまらず、これまで東広島の発展を支えてくださった方々の多くが住まわれる市内随所の団地も同様であります。団塊世代が退職期を迎え、今後10年から15年もすれば一層公共交通に依存しなければならない市民が増えます。 2つには、2度の合併によりまして635平方キロメートルと広大な市域に分散する地域拠点を核にコンパクトで機動的な機能を持ち、均衡のとれた住みよい生活空間を築くためにはどうしても地域拠点と中心部、地域拠点間を結ぶ地域間交通ネットが不可欠であることです。同時に、その地域間交通ネットと連結されたこれまた利便性の高い地域内交通ネットワークが求められています。 さらに、本市の抱えるこの2つの課題に加えまして、地域公共交通に対する国の補助制度が大きくこの春転換したことからも、本市の地域交通政策の方向性が問われていると思います。 現在、都市交通現況調査に取り組まれておりますが、それらの結果を踏まえ、来年度都市交通マスタープランの策定を進めることになっています。 そこでまず、第1番目の質問ですが、住民基本台帳から無作為に抽出した2万2,000世帯に調査票を郵送され、一昨日には第1グループの投函が締め切られ、14日には第2グループが投函締め切りになります。 抽出の基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。 交通政策を策定する場合、最もスポットを当てるべき高齢者や障害者など、交通弱者の実態やニーズを把握する上で、この調査票は極めて不適切だと言わざるを得ません。交通弱者の実態把握をどのように考慮され、配慮されているのか、お聞かせください。 そして、この調査から導き出す交通政策の柱をどこに置き、何を進めようとされているのか、基本的な考えをお聞きいたします。 次に、都市交通マスタープランについてお尋ねいたします。 20年を見据えた長期的な交通計画を立てて、マスタープランに基づき5年程度の総合交通戦略をもって本市の交通政策を進めるとのことですが、冒頭述べましたように広大な市域、分散した地域拠点、進む少子・高齢化などを抱える本市として都市交通の基本戦略をどこに置くのでしょうか。市長は、常々各地域拠点を核に日本一住みよさを実感できる機能を備えたコンパクトなまちづくりを進めるとおっしゃっておられます。とするならば、利便性の高い地域内交通ネットワークと市中心部へのアクセスや拠点間をつなぐ地域間交通ネットの整備を図ることが何よりも不可欠と思います。また、中心部へのアクセス道の渋滞解消や歩行者空間を確保し、中心市街地のにぎわいを回復するなど、コンパクトシティー構想との整合性も問われていると思います。そこで、都市交通の基本戦略についてお伺いします。 また、これまでも空港への軌道系アクセスや市街地でのLRTなど幾つか取りざたされてきましたけれども、これについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 2つ目に、交通環境の変化との整合性についてお尋ねします。 2014年の東広島呉道路の全線開通をはじめ、安芸バイパス、西条中央巡回線、西条駅自由通路及び駅舎橋上化、駅北ロータリーへのアクセス、さらに寺家新駅などなど、本市の交通環境はここ数年から10年で大きな変化が予想されます。そこで、お尋ねいたしますが、こうした交通環境の大きな変容が予想される中で、果たして今回の現況調査をもとに20年を見据える戦略的な交通政策が導き出せるのでしょうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 2つ目の大きな項目、利便性が高く、安心・安全で持続的な生活交通政策を確立するためについてお尋ねいたします。 今年4月、地域公共交通に対する国の補助制度が大きく転換されました。これまでの地域公共交通活性化・再生総合事業、地方バス路線維持対策、交通施策バリアフリー化設備等整備補助、公共交通移動円滑化など、8つの補助、支援策が、地域公共交通確保維持改善事業一本に統合されました。これが統合後の、補助制度を一つにコンパクトにまとめたものです。先ほど申し上げました、これまでは8つの法律あるいは制度によって地域交通に係るある意味ですべての面について補助がなされておりました。それが、今度は地域公共交通確保維持改善事業という一つの名称の補助制度になりました。そして、その補助制度が包含する事業は大きく3つです。それは、地域公共交通を確保するための事業、その中には陸上交通で地域間移動、そしてエリア内の域内移動、そして離島を結ぶ航路であったり航空路線、そしてもう一つは駅のバリアフリー化やバスターミナルのバリアフリーあるいは低床バスなどなどのバリアフリー推進、このバリアフリー推進もそうしたバリアフリー化と同時に交通施設の改善、これらも含めてバリアフリーがあります。したがって、すべてに関するもの、それに加えて地域の公共交通の事業を進めるための調査事業、これらがここにございます生活交通ネットワーク計画というものに盛り込んで、その上で国の審査を受けて補助金を受けるという制度になってまいりました。 この制度の大きな変容は、これまでは例えば地域にとって大切な通学、通勤路線だ。しかし、赤字で本来ならバス事業者は走らされない。しかし、それがなくなると
子供たちの通学あるいは通勤に支障を来す。お年寄りの通院にも支障を来す。したがって、結果的に出た赤字に対して国と県が補助を出すからという形で欠損補てん型の補助制度でした。それが、今度の先ほどパネルお見せしましたけれども、変わりましたのは、事前にそれぞれの路線が必要であるという必要度をしっかりと位置づけて、その利用者である地域の住民、そして事業者、行政、利用者には単なる一般市民だけではなく、その沿線で事業を営んでいらっしゃる事業主などなど、集客に公共交通を使っているところ、そこらがこの路線については必要だということを決める。そして、それを維持するためにどのような運行をしていくかという計画を立てる。しかし、にもかかわらず赤字が出てしまう。その赤字を減らすためにどのような努力をするか。しかし、それでもなおかつ出てしまう赤字の予測を立てまして、そして一定の要件に基づいて国に3か年計画を提出し、それで採択を受けて通れば欠損部分の2分の1だけは国が補助しましょう。そして、あと残りは地域でお考えくださいというものになってまいりました。すべからくそうした事前に計画を立て、国に申請をして、そして通ったものが半分しか補助が得られたとしても来ない。その意味では、ある意味でこれまでは必要な路線だから走らせておけば後で欠損部分だけは補てんが来るという、ある意味で安心といいますか、努力や工夫や改善や利用者や行政、事業者が一体となった地域のバス路線、公共交通を守るためのそうしたアクションがなくってもよかったものが、今度からはそうはいかないという制度になってきた、これが極めて大きな点でございます。 もう一度お見せしますが、それがゆえにだと思いますが、生活交通サバイバル戦略というふうについております。これは私が勝手につけた戦略の名前ではなく、国がつけてる戦略です。今度からはサバイバルだ。どれだけ自治体や事業者や利用者が一生懸命知恵を働かせてアプローチをするか。それでなければ補助をしないということは、それだけの意識変容を持って体制を整えていかなければ地域の大切な生活交通の維持どころか、存続そのものも危うくなるという極めて重要な時期に移ったというのが今年の4月であります。その意味で、私はこの公共交通政策、極めて今重要な節に来ているというふうに思っております。 そして、その生活交通のネットワーク計画を立てるということが最も重要な役割になってまいりますが、国交省が出しました地域公共交通確保維持改善実施要綱によりますと、地域の特性、事情に応じた最適な移動手段の提供、バリアフリー化やより制約の少ないシステム導入等、移動に当たってのさまざまな障害の解消等を図るための
取り組みについての計画であると。その策定に当たっては、都道府県、市町村、交通事業者または交通施設の管理者等から成る協議会または都道府県もしくは市町村が地域の生活交通の実情やニーズを的確に把握しつつ協議会等での議論を経て作成するものであるとなっております。すなわち利用者、事業者、行政一体となってその計画を策定するものである。それを提出しなければならないということであります。これは大きな制度の変容です。 新たな制度は、地域住民、商工業者や病院、福祉施設などの利用者ニーズを把握しつつ、交通事業者と行政、利用者が協働して、ともに働く、その協働でありますが、路線確保と維持改善のために努力を求めています。これまでのような姿勢、対応では補助は受けることができません。しかも、申し上げましたように得られたとしても欠損見込みの2分の1であり、後は地域で考えなくてはなりません。したがって、行政の果たす役割が極めて大きくなり、その認識と対応によって地域の交通の帰趨が制されると言っても過言でないと思います。 そこで、お尋ねいたします。 この新たな国の補助制度についてどのような認識を持ち、対応をなされようとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。 2つ目に、こうした新たな制度変容に対応するためには、私はどうしても市民協働による交通政策を進める以外にないという時期に入ったと思います。概して従来のさまざまなプランニングは最も主要な当事者である市民がしっかりと位置づけられてきたとは言えません。これまでもこの種、生活交通にかかわる協議会ございましたけれども、一体どれだけ公共交通機関に依存せざるを得ない人たちが位置づけられ、入っていたでしょうか。地域交通ネットワーク計画を策定するための協議会は、今度はそうはいきません。地域の特性や事情、ニーズを把握し、地域住民の理解と協力を抜きにこのサバイバルは生き残れません。まさに地域生活交通を確保、維持するための市民協働が求められています。 そこで、お尋ねしたいと思います。 この地域協議会は、現在どのようになっているのか、お聞かせください。 また、市域を越えた協議や連携も必要となってきますが、中央圏域の中核都市として交通結節点都市としての役割も問われますが、これらについてのお考えもお聞かせいただきたいと思います。 3つ目の大きな柱、生活交通の維持と利便性の向上のための具体策についてお伺いいたします。 国道375号線バイパスは開通して久しく、沿線に量販店なども増え、交通渋滞も頻繁に起きています。間もなく消防局も移り、375バイパスはまさに生命線になります。 そこで、お尋ねします。 交通渋滞を緩和するためにも、市民の利便性を高めるためにも、375バイパスにバス路線を開設し、自家用車から公共交通への誘導を図るお考えはありませんでしょうか。 また、量販店の出店やマンション、住宅の建設、進んでる西条中央巡回線工事の進捗、交通環境の変化に対応した路線やダイヤ、便数への改善が必要です。バス事業者にかかわる課題ですが、市が利便性の高い交通政策を推進する観点から、見直しのためのテーブルをつくる必要があると思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 市民の動線に即した路線ダイヤ便数への政策誘導についてお尋ねします。 東広島市内のことではなく、竹原市でのことでございますが、竹原市で市民の動線に即したダイヤ改善が図られたというとても参考になる事例を聞きました。バス事業者である芸陽バス、竹原市、交通手段を持たない客層の集客に苦労していた量販店が協議をしまして、竹原のフェリー乗り場から、竹原港ですね、から竹原駅までのバス便を中通りまで延伸したということであります。そこにはパルティ・フジ竹原があり、そこに新たに停留所が、バス停がつくられました。さらに、途中にあります道の駅たけはらにもバス停が新設されたということであります。 まだ、11月11日にはじまったばかりで、目に見えた大きな変化は出てないということでありますけれども、しかしこれまで駅で乗りかえなければならなかったけれども、今度はスルーでパルティ・フジ竹原に買い物に行ける。道の駅でも乗降できるなど、市民に喜ばれ、乗降客も少しずつ増えつつあるということです。バス停が必要になりましたが、それはパルティ・フジ竹原が設置したそうです。ちょっとした工夫で市民の利便性は高まり、買い物客は増える。バス乗降客、利用者も増えてくる。業者は市民に喜ばれ、経済効果もある。まさに売り手よし、買い手よし、世間よしという三方よしの効果が生まれようといたしております。 交通政策は、新たな道路を建設する軌道系を導入するなど、大がかりなものだけではなく、市民の日常生活に身近でのちょっとした工夫や改善で随分とよくなります。新たな生活交通サバイバル戦略という補助制度に変わりました。サバイバルを生き抜き、補助を受けられるとしても2分の1です。残り2分の1は地域支援が求められます。その多くは、地方自治体が持たざるを得なくなる可能性があります。現在でも大型量販店がバス便を運行したり、病院や福祉施設などが送迎バスを走らせたり、みずからが市民の移動手段を確保しながらの営業努力をしています。これらの受け皿として地域公共交通はしっかり機能を果たすことによって予測収支型、すなわち赤字分の2分の1について一定部分を負担していただくことも可能になってまいります。以前にも、バス便の改善やフェリー便とバス便との連結、列車とバス便の連結など、さまざまな改善のために行政が調整機能を発すべきと提案し、協議の場を設けるとの答弁をいただきましたが、その後どのように進められているのか。また、申し上げました竹原の事例などへの感想も含めてお聞かせいただきたいと思います。 次に、パーク・アンド・ライドの導入ついてお尋ねをします。 この問題は、幾度も提案してまいりましたけれども、来年度策定予定の都市交通マスタープランではどのように位置づけられようとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。 あわせて、生活支援型循環バスの運行についても同じく幾度も提案してまいりました。これもマスタープランにどのように位置づけられるのか、お聞かせいただきたいと思います。 そして最後に、人に優しく安心・安全な交通施設の整備についてお伺いいたします。 交通施設あるいは交通機関のバリアフリー化を今後どのように進めようとしておられるのか、その方向性をお尋ねします。 また、利便性が高い生活交通ネットワークを形成するためには、路線バス、列車、タクシー、NPO等が運行する福祉有償運送など多様な市民力を必要とすると思いますけれども、多様な市民力を今後どのように活用されるのか、お考えをお聞かせください。 以上で初回の質問を終えます。
○副議長(中曽義孝君) 答弁を求めます。
◎副市長(大北和幸君) 議長、副市長。
○副議長(中曽義孝君) 大北副市長。
◎副市長(大北和幸君) (登 壇) 私からは、公共交通に対する基本的認識について御答弁を申し上げます。 まず、都市交通現況調査に対する調査対象者抽出の考え方についてでございますが、都市交通現況調査の根幹をなしております世帯調査は、市内約7万4,000世帯の中から2万2,000世帯を無作為に抽出したものでございます。この2万2,000世帯、約5万人は、回収率を踏まえた上での市の交通動態をシミュレーションするのに必要な数でございまして、市全体における交通の動態を総括的につかむことを主眼といたしております。 今回の調査は、無作為抽出でございますが、一方では議員御指摘のとおり、交通施策の推進に当たりまして交通弱者への対応は欠くことのできない非常に重要な視点でございます。調査の内容につきまして、交通弱者の方々の御意見をいただけるような項目を設けるとともに、必要な数が不足するようであれば追加調査も検討したいと考えております。また、都市交通マスタープランの策定におきましても、関係団体等の御意見も伺いながら進めてまいりたいというふうに考えております。 調査結果につきましては、都市交通マスタープランの策定だけではなく、その後のさまざまな交通施策の展開における基礎資料とするため、調査内容も非常に多く複雑になっており、調査対象の方々に大変な御負担をおかけいたしますが、市民の皆様の実態を通してさまざまなニーズを把握していただくために必要なものであり、御理解をいただきたいと考えております。 この調査は、国においてさまざまな交通施策を展開するための調査として実施されてきたものでございまして、実際の距離や時間、運賃等の実態からニーズが把握できるものと考えております。この都市交通現況調査を踏まえまして、
関係機関等と協議をしながら策定いたします都市交通マスタープランにおきましては、市中心部における利便性の高い交通ネットワークの構築と周辺地域の生活に必要な交通の確保が大きな柱になるというふうに考えており、過疎化、少子・高齢化対策を講じる上で非常に重要な役割を担うものでございます。 次に、都市交通マスタープランについてでございます。 都市交通の基本戦略につきましては、現在の本市における基幹公共交通機関はバスでございまして、今後もこのバスを主眼といたしましてより利便性の高い路線網の形成を目指してバス路線の再編、パーク・アンド・ライド、バス待合環境の改善等の各種事業を総合計画や都市計画マスタープランを踏まえながら展開していくことになるというふうに考えております。 広島空港への軌道系アクセスにつきましては、広域的な視点が必要であり、今後とも県に要望してまいりたいと考えておりますし、市街地でのLRT等の新たな公共交通機関につきましても、都市交通マスタープランを進めていく中で検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、交通環境の変化との整合についてでございます。 議員御指摘のとおり新たな道路、交通結節点等の整備によりまして、現在の移動実態から大きく変化することも予想しているところでございます。将来の交通環境の変化を可能な限り反映していくことで都市交通マスタープランを長期的な視点で策定できるものと考えております。
◎企画振興部長(宝寿正義君) 議長、企画振興部長。
○副議長(中曽義孝君) 宝寿企画振興部長。
◎企画振興部長(宝寿正義君) (登 壇) 私からは利便性が高く、安心・安全で持続的な生活交通政策を確立するための地域公共交通に対する国の補助制度変更への対応について及び生活交通の維持と利便性向上のための具体策について御答弁を申し上げます。 まず、新たな国の補助制度の地域公共交通確保維持改善事業への認識と対応についてですが、このたびの国の制度変更は議員御指摘のとおりより利便性の高い交通網の形成を目指す上で非常に有効な制度であると考えております。しかし、この変更の新たな補助制度として追加となりました地域内系統フィーダー路線に関する補助につきましては、現在の本市の路線では対象となるものがございませんが、対象が可能となる場合には取り入れてまいりたいと思います。 本市における地域公共交通ネットワーク計画を策定するための地域協議会としましては、東広島市地域公共交通会議がございますが、今後は市全体における交通のさまざまな関連事項を総括的に審議する場として都市交通マスタープラン策定部会を発展的に組織改正を行うことで対応してまいりたいと思っております。 いずれにいたしましても、利便性の高い交通網の形成を図るためには市民の方々に利用していただけるような交通環境を整備していく必要があると考えており、市民協働の観点から、地域特性やニーズをしっかりと把握することで市民の皆様の御理解をいただきながら進めてまいりたいと考えております。 次に、生活交通の維持と利便性向上のための具体策についてでございます。 まず、国道375号バイパスへの路線バスの開設でございます。 375号バイパスの渋滞は、通過交通と市内外から沿道の大型商業施設への移動が主な要因であることから、バス路線の開設につきましては将来的な検討事項であると考えております。 また、路線やダイヤ等の見直しの場につきましては、市が利便性の高い交通政策を推進する観点から、既存路線の見直し等を積極的に実施していく必要から、都市交通マスタープラン策定部会において継続的に本市の交通をよりよくするための協議を総括的に実施していきたいと考えております。 次に、公共交通改善のための協議状況につきましては、その一つとして東広島市地域公共交通会議がございますが、個別の案件につきましてはそれぞれ事業者、道路管理者などとさまざまな場で協議をしているのが現状でございます。 また、竹原市のような効果的な事業につきましては、参考にさせていただきながら展開をしていく必要があるというふうに考えております。 最後に、パーク・アンド・ライド、循環バス、交通施設及びバスなどのバリアフリー化についてでございますが、いずれも重要な課題でございます。市民の皆様の御理解を得ながら都市交通マスタープランの策定並びにその後の事業展開の中で十分に検討を進めてまいりたいと考えております。
◆25番(赤木達男君) 議長、25番。